錬成に失敗したら誰にも愛されないし生きた屍にしてくれる相手すらいない芋虫の出来上がりで余計惨め
そう思い込んで泣き暮らす喪子のそばにはいつからか介護士の青年がいた
べたりと四六時中張り付いて世話を焼く姿は甲斐甲斐しく、しかし感情は見えず事務的だった
誰が雇いどこから費用が出ているのかまともに考える余裕は喪子にはない
きっと障害年金などの国による保障だろうくらいに思っていた
愛を求め過ぎたあまり非現実的な人体錬成などという夢物語に手を出した恥ずかしい女
その結果四肢を失い自分が何をしたのか隠すこともできず生き恥を晒していると泣き伏す喪子
その様子を眺める青年の感情の読めない瞳の奥は、心底幸福そうに輝いていた

実は失敗してなかった喪女の話だけど永遠に喪子は気付かない