「カマキリ」

なんで俺はこんなもんコピーしてんだ。いつだ、いつだよ。いつコピーした。それよりなにより、これ四文字じゃねえか、コピーしてんじゃねえよ。打ち込めよ。

勝負所の静寂の中、耐え切れないほどの緊張感の中、チャット画面に燦然と輝くカマキリの文字。先程とは別の意味で全ての時間が止まった。

沈黙を破ったのは女だった。

「カマキリってなんですか? 私がカマキリみたいな声ってことですか?失礼な人ですね。気持ち悪い」