アンドリュー・ベイヤー著、山本尊訳『ウイニングホースプレイヤー』(自由国民社)1992年
副題は、競馬勝利者のためのトリップ・ハンディキャッピング
いわずとしれたベイヤー本第二弾
ちなみに、まえがきにかえては、競馬評論家石川ワタル氏

同書「第1章 ゲームの本質」から引用すると
競馬には、(物理学の法則のような)不変の真理も、絶対的に正しいことも誤った
こともなく、ある方法が有効かどうかの唯一の尺度として、儲かるかどうかしかない。
だが、パリミューチュェル(集計)方式においては、たとえ少しの間、儲かるような
方法を見つけたとしても、一般ファンがその方法に飛びつくや否や、オッズは下がり、
もはやうま味はなくなってしまう。
これは、いってみれば競馬史の縮図といってもよい。
ファンが賢くなれば、ウイニング・ホースプレイヤーは彼らより先にいるため、自分
のスタイルを変化させていかなければならない。(pp.12-14)

同書は、そのための有効なテクニックとして、(既に普及したスピード・ハンデ
キャッピングに対する)トリップ・ハンデキャッピングを提唱しています。

そして、トリップ・ハンデキャッピング
(どの馬の結果も道中の状況と関連づけて見なければならない)として、
スタート、最初のコーナー、向正面、2つ目のコーナー、直線で、自分の見た事実をメモに取ること、
トラック・バイアス(馬場の特異性)を正確につかむこと、
前半のペースを予測してレースを読むことの重要性などが語られています。

また、ベイヤーは、『競馬探求の先端モード』(自由国民社)1995年でも、
レース内容に最も影響を与えるファクターは、大きく3つ、
トリップ、トラック・バイアス、ペースに分類される(p.79)としております。