ネット上で熟語や慣用句の誤用に関する議論を観察したり、自分も参加したりするのが好きなんですが
他人の誤用を批判している人と言葉を交わしていると、批判側の方が逆に知識が浅く、語学力が低いと感じることがまれによくあります。

そうした人達がよく他人を批判するのに振り回しているのが辞書なのですが、
そもそも辞書というのはざっくりとした調べ物に使うもので、日本で使われている言葉が全て載っているわけでもなく、また一つの言葉にある程度幅広い用法がある場合その全てが載っているとも限らず、
同じ言葉でも出版社によって意味の解釈が違ったりとその実ビミョーにアテにならない存在なのです(て言うかそういう注意書き、辞書の凡例のとことかに書いてません?)
辞書自体が間違っている場合も稀にはありますし、足りない記述から実際の使い方の正誤を判断するのが難しい場合もあります。

最近では「爆笑が大勢で一斉に笑う事だという辞書の記述が完全な間違いだった」という事を古い書物を多数引用して証明したかなり詳細な研究結果が公開されていますね。

同じ笑いでは、「失笑」に関して「あざ笑うイメージではなく、本当におかしくて自然と笑いが吹き出すシーンに用いるのが正解」などと書いてあるブログ等もありますが、恐らく間違いかと思われます。
元々失笑とは笑ってはいけない場面で笑う事であり、他人をあざ笑う事自体が礼儀に反する「やってはいけない笑い」である事を考えると
「馬鹿にしたようにふっと笑う」事も辞書に書いてある「失笑」の意味の範囲内に充分含まれ、昔から正しい使い方だったと考えて良いでしょう。