ラ・サール中学の1学年の定員は160人、高校は240人。2018年の合格実績(3月16日現在)は
東大42人、京都大学10人、国公立大学医学部は80人前後になる見通しで、私立を含めると、
ラ・サール生の約4割が医学部に進む。

ラ・サール在籍42年を数える谷口哲生副校長は、「以前は東大志向だったが、官僚や弁護士が不人気で
文系志望が少なくなり、今は圧倒的に医学部志向になった。合格率では全国トップ3には入りますね」という。
 東大の合格者が100人を超えたのは7回、最高は117人だった。この10年余りで東大一直線からシフトした
わけだが、OBから「医学部偏重」を懸念する声も高まるほどだ。

だが、現在のラ・サール生の3分の1の保護者は医師で、入学時から医学部を目指す生徒が多い。
国公立の医学部の難易度は年々上昇して旧帝大クラスでは、東大理科1類や2類の偏差値を上回るケースもある。
「医学部志望の生徒を東大に変えれば、合格者は一気に伸びるでしょうが、あくまで生徒の希望に任せ
ていますから」と谷口副校長は苦笑いする。