司法試験&予備試験/力技の3000問 [無断転載禁止]©2ch.net
「幼稚なことをやっている」と叩かれ、批判されても、
粘り強く努力を重ね、実力が向上すれば、それでよいではないか。
「質より量」「量が質に転化する」の精神で、絶え間なく、素振りを繰り返す。
取り上げる題材に制限はない。およそ予備試験・司法試験から遠いものを
避けるだけである。「予備校本より基本書」でもなく「基本書より予備校本」でもない。
そんな拘りに囚われる必要はない。科目も順序もアットランダムである。
最終的に、己の頭の中で体系的整理ができ高速出力が出来ればよい。
比喩的ではあるが、そのようなコンセプトのスレである。
「こうはなるまい。馬鹿なことをやっているな」という反面教師として
もらってもよいし、また遠慮なく突っ込みを入れてもらいたい。 【民法:問題】 Aは土地をBに売却し、売買契約から1カ月後に引渡しがなされ、引渡しから
10年以上が過ぎた時点でBがその土地に産業廃棄物が大量に埋められていることを
発見した。BはAに対して、いかなる請求をなしうるか。
瑕疵担保責任の追及であることは明らか。しかし、期間制限がかかってくるのでは?
(1) 民法566条3項の期間の法的性質について、判例(最判平13.11.27)・通説は、
瑕疵があったのか否かという責任の成立の有無をめぐる紛争を短期間に制限するための
いわゆる除斥期間と考えている(除斥期間説)。
この立場に立てば、1年以内に時効中断措置をとる必要はなく、権利を行使すればよい
ことになる。権利行使により保存される権利は10年の時効期間に服する(民法167条1項)。
この場合の10年の時効期間の起算点は、契約成立時ではなく、引渡時である。
上記最判は、「買主が売買の目的物の引渡しを受けた後であれば、遅くとも通常の消滅
時効期間の満了までの間に瑕疵を発見して損害賠償請求権を行使することを買主に期待
しても不合理でない」として、引渡時を起算点としている。
(2) 売買の瑕疵担保責任が問題になるケースでは隠れた瑕疵が存在し、それゆえに錯誤が問題
になる。錯誤無効による救済と瑕疵担保責任による救済との競合が問題になる。
@競合否定説(瑕疵担保責任規定は錯誤規定に対する特則)特則のみにより規律される。
A競合肯定説(錯誤無効の主張の選択を許容するが、錯誤無効についても1年の期間制限適用) 1 AはBに対し本件土地を売り渡し、売買契約(555条)を締結している。
しかし、本件売買契約から10年以上の期間が経過後、初めてBは土地に産業廃棄物が埋められているという事に気づいている。
そこで、BはAに対してどのようなことを請求できるか、以下検討する。
BのAに対する請求について
(1)まず、BはAに対し、本件産業廃棄物が「隠れた瑕疵」(570条)にあたり、本件売買「契約」の「目的を達することができない」時に該当し、
契約の解除を主張することが考えられる(566条前段)
そして、仮に解除が認められないとしても、損害賠償の請求(566条後段)をすることが考えられる。
ア まず、本件契約は土地であり、一般的に建築物や工作物などを土地に設置して使用収益をする目的がある。
産業廃棄物が埋められていればそのような目的は通常達成できるとは考えられず、当該廃棄物から染み出す有害な物質が蓄積されれば
将来に渡って価格が下落するなど、建築物等を建設しない場合でも使用収益をする目的が達成出来ないのが通常となる。
また、Bが本件土地の産業廃棄物に10年以上という長きに渡り気づかなかったのは、「埋められていた」からであり、
引き渡しを受けた時点で一般通常人が容易に気付ける状態ではなかったと言え、「隠れた瑕疵」に該当する。
以上により、BのAに対する契約解除は認められると解する。
イ だとしても、BとAの契約が成立してから10年以上の時間が経過していることから、時効によって消滅するのではないか。
まず、本件土地は不動産である所、登記に関する記載はないが(177条)、民法は176条で「当事者の意思表示のみ」によって、効力を生ずるとしている。
通常は意思表示が合致した時点で契約が成立するが、本件土地に隠されていた「瑕疵」の性質は、引き渡し以前に気づく事は難しく
判例も、瑕疵担保による損害賠償請求権の消滅時効は目的物の引き渡しを受けた時としている。
よって、本件土地の引き渡しから10年以上経過したものである以上、167条1項の規定で消滅時効にかかって消滅すると解する。 (2)次に、BはAに対し、所有権に基づく妨害排除請求権として、産業廃棄物を撤去することを請求することが考えられる。
所有権に基づく物権的請求権を認める明文規定はないが、物権は物に対する直接的な支配権であるため、
他人によって支配権が侵害された場合には、物権たる所有権の当然の効力として認められると解する。
そこで、・・・・・・
あーわからん、せめて撤去費用の請求くらい認めてやりたいっていう結論を出させたい問題なのだろうか。
思ったのは、>>2が「いかなる請求をなしうるか。」と聞かれてるのにまったく問に答えてないということ。
そして、「瑕疵担保責任の追及であることは明らか。」という決め打ちしてるけど、ここが印象悪い。
条文出して要件効果出して当てはめしてようやく「明らか」って言えるのに、そんなの当たり前でしょってことで書いてないって印象がすごく強い。
せっかく知識はあるのに、その当たり前を書かずに減点されるパターンって気がするわ。
いわゆる自分の論証を貼り付けたいがために書いてるだけって印象が抱かれやすいと思う。
正しいかはしらん。 とりあえず一度決めたからには3000問こなしてや
まさか1問で終わりなんてやめてくれよ? >>4-6
丁寧な論述とコメントありがとう。
たしかに、上記は論点ありきのもので、しかも問いに答えてないですね。
それに所有権に基づく妨害排除請求をすっかり落としていました。
あと、問題文の事情がアバウトであったことも済まなかったです。
損害の発生などは仮定で書くことになるのでしょうかね。
今後もぼちぼちとやっていきたいと思います。 個人事業者たる甲は、中古自動車販売業者の乙から、特に気に入った普通乗用車Aを
80万円で購入し引渡しを受けた(代金支払済)。Aは、現在では製造が終了しており、
入手も困難となっている。Aにはブレーキの不具合が存していたが、売買契約時及び
引渡時における点検の際、Bはこれを発見できなかった。
甲は、引渡しを受けてから間もなくして、妻丙を乗せてAを運行中にブレーキの不具合
が原因で事故を起こした。これにより、Aは著しく損傷し、甲と丙はそれぞれ全治3カ月
の重傷を負い、甲はその間休業を余儀なくされるに至った。
甲は、丙の損害を乙に対して請求できるか。 (1)特定物売買か?
→ 中古自動車、特に気に入った、製造終了の入手困難な普通乗用車
→ 当該取引において当事者が特に物の個性に着目した特定物
(2)隠れた瑕疵にあたるか?
→ 契約時及び引渡時の二度の点検でブレーキの不具合を気付かなかった。
→契約の趣旨に照らして、目的物が有すべき品質・性能を欠いているといえるし、
通常人ならば買主の立場に置かれたときに容易に発見することができなかったから。
570条の「隠れた瑕疵」にあたる。 (3)瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求
@法定責任説に立てば損害は信頼利益に限られるため、せいぜいブレーキの不具合
それ自体の損害 (修理代金)の賠償に限られる(原則)
Aしかし、それでよいか(信義則による修正)。
乙は中古の自動車販売という、事故をおこせば他人の生命、身体に重大な危害を加える
おそれのある物を販売しているから、乙には商品の安全性に関して信義則上(1条2項)、
適切な整備、点検を行う義務がある。
このような義務に対する違反があれば、法定責任説に立ったとしても
債務不履行責任に基づいて履行利益まで請求できると考える。
そして、乙は、Aが「普通乗用車」である以上、甲本人だけでなく甲の家族も同乗すること
が予見できるはずである。
そこで、以上を法律構成して、
416条の 「通常損害」と「特別の事情によって生じた損害」(特別損害)の解釈とあてはめ、
ということになる。
(その一方で信義則による修正は無限に広がる可能性があるので、一定の制限を加える
必要がある。ただ、本問では考慮不要か)。 AはBに対して300万円の金銭債権を有している(甲債権)。
BはAに対して300万円の金銭債権を有している(乙債権)。
甲債権が不法原因給付に基づく不当利得返還請求権である場合、
Aは、甲債権をもって乙債権と相殺することができるか。 ぱっと見た時に問題なのか答えてるのかわからんから【民法:問題】は頭につけて欲しい。
ちなみに既存の問題ですか?
信義則からの416にしてるけど、単純に415の「債務の本旨に従った履行」からの416で良いのではないかな?
1.416条は「債務の不履行に対する損害賠償請求は、〜」という主語がある点 (415を基礎としている)
2.信義則は他に条文が無い時の最後の手段という点 (1.からすると、415が使える)
3.安全配慮義務違反の判例は415条のほうに掲載がある点(自衛隊・従業員殺害・国の安全配慮 判例六法28年版)
あと、「416条の」として、1項と2項の内容を合わせて記載してるけど、ちゃんと分けて1項の〜2項の〜ってして、
「何項、何号、前段、後段、但し書き」、と言う、ここの文言に注目してます!ってアピールすると印象は良くなるかも すまん、見落としだ 信義則からの415で416ってしてたんだな >>12
既存の問題をアレンジしたものです。
その既存の問題というのは、旧司合格者が修習に入るまでの期間に
作成した問題です。
本来なら、売買の瑕疵担保責任の法的性質を軸にして
瑕疵修補の肯否とその根拠( 小問1)、損害賠償請求の肯否とその根拠( 小問2)
を問うものだったのですが、そのままでは著作権侵害の問題があるので、
出題テーマを変えずに事案を変えて、損害賠償請求の部分のみを取り出し
それに大きく修正を施して、そのうえで簡素な問題にしました。 >>11
Aは甲債権をもって乙債権と相殺することができるものと考える。
民法708条が不法な原因のある給付者に不当利得返還請求を認めない
のは、不当利得の債務者を保護するためではなく、不法な原因に基づいて
給付をした債権者への制裁として、裁判所による助力を拒絶せんとした
ものである。そうだとすれば、相殺は、裁判所を介さないで、簡便に
決済する制度であるところ、このような裁判所を介さない相殺までをも
禁止する必要はない。 〔民法:確認〕
相殺とは何か
→ 債権と債務とを対当額において消滅させる一方的意思表示
相殺制度の趣旨
@決済の簡便を図る、A当事者間の公平を維持する
(按分的比例的弁済によらずに自動債権の回収を図りうる)
→ 担保的機能
(被相殺者の債権を引き当てとして自己の債権の弁済を確保)
受動債権の上に最優先の担保権が設定されたのと同じ機能 【民法:問題】〜 予備試験27年度の論点
ABCは父親から甲土地を共同相続(法定相続)した。BCは甲土地の持分を
Dに譲渡した。DはAに対して甲土地の明渡請求をすることができるか。
(1)甲土地についての現在の権利関係について確認
@甲土地はADの共有である(Aの持分が3分の1、Dの持分が3分の2)。
AAが甲土地をDの同意を得ずに排他的に使用している。
(2)この場合に、DはAに対して甲土地の明渡請求をすることができるか。
@共有者は、共有物を「其持分に応じ」て使用できる(249条)以上、
その使用できる権限にもとづいて共有物を占有することができる。
Aしたがって、Aはその持分に応じて甲土地を使用できる権限にもとづき
甲土地を占有できる。DはAに対して甲土地の明渡しを請求することはできない。 【民法:問題】Aは、自己所有の唯一の資産である甲土地をBに売却したが、
Bが登記をする前に、Cにも甲土地を売却して登記を経由させた。
BがCに対して主張可能な法的手段を論ぜよ〔中央大学法科大学院 小問(1)修正〕
(1)所有権に基づく抹消登記請求の肯否
・甲土地につき、BとCとは二重譲渡の関係
→民法177条による規律
・Bにとって、Cは登記なくして対抗できない第三者
@原則―否定
A例外―Cが背信的悪意者の場合
(2)詐害行為取消権によりAC間の売買契約を取り消して抹消登記請求
・詐害行為の要件の摘示と検討(仮定して)
・424条の行使は177条の趣旨に反しないか
(3)Bが時効取得している場合も忘れず
(4)BのCに対する不法行為にもとづく損賠請求(709条)
・債権侵害の場合の特殊性 【民法:問題】
A(自然人)は、自己所有の目的物甲をBに売却する契約を締結したが、
Aがしばらく保管することになった。次いで、Aは甲をCに売却する契約
を締結し、甲をCに現実に引き渡した。
BのCに対する甲の引渡請求の可否について、甲が不動産である場合と
動産である場合とで違いはあるか。〔京都大ロ‐19年修正〕 >>19の構成
(1) 甲が不動産である場合
@ 甲につき、BとCとは二重譲渡の対抗関係に立ち、民法177条で律せられる。
Cが甲につき登記を具備していれば、Cは「第三者」にあたり
原則的にBはCに対して甲の引渡請求はできない。
A Cが登記を具備していても、Cが背信的悪意者であれば、BはCに対して
甲の引渡請求ができる。 (2) 甲が動産である場合
@ 甲はBに売却後、『そのままAが保管することになっている』から、
AB間で甲につき占有改定がなされている。民法178条の「引渡し」
には占有改定も含まれるからBは対抗要件を具備したことになり、
後にCが甲の現実の引渡しを受けたとしても、BはCに対して甲の引渡しを
請求できる。
A しかし、甲が動産である場合には、即時取得制度(192条)によって、
Cが保護される場合がある。Cが即時取得者であれば、Bは、Cに対して
甲の引渡請求ができないのである。
B つまり、甲が動産である場合には、対抗関係でいったん劣後したCが
即時取得制度によって保護されるということが生じる。 (3) 甲が不動産と動産とで、このような違いが生じるのは何故か。
・ 動産が不動産に比して頻繁に取引され、
・178条の「引渡し」に占有改定が含まれ、引渡しが公示の役割を十分に果たさない
場合があり、
・占有を信頼した者を保護して、取引の安全を図る必要性が高いこと
そこで、動産には公信力を与える立法政策を取った。 Q 窃盗罪における不法領得の意思とは?
A 権利者を排除して他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い利用処分する意思
Q 排除意思にはどういう意義があるか?
A 軽微な一時使用の事例を、権利者を排除する意思がないとして、窃盗罪の処罰範囲から除外する意義がある。 Q 不法領得の意思を肯定した判例(裁判例)をあげよ。
・自動車の無断使用の事例(一時使用で返還意思がある場合)。
・情報の不正取得の意思で記録媒体を持ち出し複写した後に返還した事例。
(←利用妨害の程度を問わない)。
・犯行隠蔽の目的で手提げ金庫を持ち出して川に投棄した事案(*)
・物取りの犯行と装う目的で、金品を奪い、自宅の庭に埋めた事案(*)
(*)これらは、毀棄・隠匿の意図のみならず犯行の発覚の防止・隠蔽目的
があることから不法領得の意思があるとされている。 Q 不法領得の意思を否定した判例(裁判例)をあげよ。
・尋常高等小学校の教員が校長に対する不満から、その失脚を図り、勅語奉置所に保管されていた教育勅語等
を持ち出して受持ち教室の天井裏に隠匿した事案(教育勅語事件)
→経済的用法に従って利用する意思を認めることができない
・世話になった弁護士のために競売を延期させようとして競売記録を持ち出し隠匿した事案(競売妨害事件)
・報復目的で動力鋸を持ち出して海中に投棄した事案
→物の本来の用途にかなった方法に従い、あるいはなんらかの形において経済的に利用もしくは処分する意思がない
・犯行発覚を防ぐために殺害後の死体から貴金属を取り去った事案
→財物から生ずる何らかの効用を享受する意思がない
平成16年最高裁決定は、他人の財産を差し押さえ、強制執行することなどにより金員を得るという利益を追求する目的があっても、
詐取した支払督促正本等について「廃棄するだけで外に何らかの用途に利用・処分する意思がなかった場合には」、
不法領得の意思を肯定することはできないとしている。利用意思を広く理解する傾向に対し一定の歯止めをかけたもの。 【審議中】
∧,,∧ ∧,,∧
(´・ω・) (・ω・`) ∧,,∧
∧,,∧ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(ω・` )
( ´・ω) ∧,,∧ ∧,,∧ \ ヽ
/ ※\__( ´・)__(・` )__\_ノ
(_ ,ノ、 ※ / )※( ヽ※ ヽ
\,`ー‐ 人_o_人ー人_o_人ー─‐ヽ, >>26
「通し番号」をつけようと思います。
それに関して迷ったのは、
問題、知識の整理・確認、思考過程、論証パターンなど
種々雑多なものも簡単な問題の形式にするかどうか、
ということです。
試行錯誤し、修正をも入れながら、
ぼちぼちやっていきたいと思います。
気が向いたら、突っ込みを入れてください。
間抜けなことを書くことも多いですから。 >>28-29
ありがとう。
気が向いたら、間違いの指摘や突っ込み、添削など
をお願いします。 〔問題6:民法 ― 予備試験・平成27年度(設問1)〕
問題文は、法務省HP参照してください。
ここでは問題の骨子のみを示します。
1.Aは、その所有する甲建物をBに対して書面により贈与
し引き渡した。しかし、その登記を移転する前にAは死亡
した。Aの相続人はCDEである。そして、BはAから贈与
を受けた時から現在まで甲建物の占有を継続している。
2.上記1においてBが未登記である間に、C及びDは、Eに
無断でFと甲建物の売買契約を締結した。その後、甲建物に
つき相続を原因とする(CDEの各自が持分3分の1とする)
登記をして、Fとの合意に従い、C及びDの各持分につき、
それぞれFへ移転登記をした(Eの持分3分の1については
移転登記をしていない)。一方、Eは、甲建物の3分の1
の持分につきBへ移転の登記をした。
3. Fは、Bに対して甲建物の明渡しを求めたがBに拒絶さ
れたので、Bを被告として甲建物の明渡しを求める訴えを
提起した。 【問題7:民法】
Aは、甲建物にBと同居していたが、死亡した。
A所有の甲建物はBCDが共同相続した。
CDは甲建物にはBではなくCが住むのがよい
と考えているが、BCD間の遺産分割協議はまとまらず、
現在もBが甲建物に住み続けている。
この場合、CDはBに対して甲建物の明渡しを求めることができるか。
明渡請求以外の請求を何かできるか。 【問題8:民法】
ABCは父親から土地を共同相続したが、BCは本件土地の持分を
Dに譲渡した。その後、Aが本件土地に土砂を搬入して建物を建築しよう
としている。この場合に、DはAに対して本件土地の原状回復請求をする
ことができるか。 【問題9:民法】
共有物の分割はどのようにするか? >>32
【独断にもとづく解析】
FのBに対する甲建物の明渡請求が認められるかどうか
を検討する問題である。
参考判例
・最高裁判決(昭41・5・19)は、「多数持分権者」は、共有物を現に占有する「少数持分権者に対し、
当然にその明渡を請求することができるものではない。けだし、このような場合、右の少数持分権
者は自己の持分によって、共有物を使用収益する権限を有しこれに基づいて共有物を占有する
ものと認められるからである」と判示している。
・共有者の1人が第三者に使用させている場合も同じ(最判昭63・5・20判時1277-116)。
・しかし、持分を超えた使用を禁止することはできる(また、不当利得返還請求もできる)。 【独断にもとづく解析】
>>36の続き
〔1〕 @FがBに対して甲建物の明渡請求をする根拠、
及びA請求を受けたBは甲建物を占有する権原があるのか
どうか。それらを検討していけばよい問題である。
〔2〕@について
Fは、いかなる権利に基づいて、Bに対して明渡し
を請求しているのかを考える。
FB間では契約関係がないから、物権的請求権を考える。
そこで、FのBに対する甲建物の明渡請求を成り立たしめる
根拠としては、甲建物の所有権または共有持分権を考えるこ
とになる。 【独断にもとづく解析】
>>37の続き
(1) AはBに対し甲建物を書面により贈与(549条、550条)
→Bは甲建物の所有権を有効に取得(176条)
(2) Bが甲建物の所有権移転につき未登記の間に、
Aが死亡し、その子CDEがAを共同相続した。
そして、FはAの共同相続人CDから売買により
甲建物を買い受けている(555条)。
→ただ、CDはEの持分につき無権利であるから、
Fは甲建物の3分の2の持分につき譲渡を受けたにすぎない。
(3)以上より、甲建物の3分の2の持分につきBとFは二重譲受人
となり対抗関係に立つ。
→ 177条で律せられるところ、Fは登記を備えているから
BはFに対抗できない。なお、Bは残りの3分の1につき登記を
備えている。
(4)このように、FがBに対して甲建物の明渡しを請求する根拠は、
共有持分権(2/3の共有持分)に基づく妨害排除請求権である
と考えられる。 【独断にもとづく解析】
>>38の続き
〔3〕Aについて
BはFの明渡請求に応じなければならないか。これは、
Bは甲建物について占有権原を有しているかという問題である。
(1)上記〔2〕@の検討過程で、Bは、甲建物の3分の2の持分について
はF対抗できないが、その部分を除いた残部の3分の1の持分
を取得していることになる(登記も具備)。
(2)少数持分者も、その持分に応じた使用をすることができ
る(249条)ので、Bは、この3分の1の持分にもとづいて
甲建物を占有する権原がある。
〔4〕結論として、Fは、Bに対して甲建物の明渡しを請求することはできない。 >>33
予備試験の問題【問題6】では、そもそもFが共有持分すら
取得していないという構成もありうる(studyweb先生の答案参照)。
しかし、上記>>36以降では「共有者間の紛争」であることを前提に
「多数持分者による少数持分者への明渡請求」が問われているものと
して扱った。
本問では、予備試験問題とは異なり、
そもそもBCDの遺産共有が「物権法の共有」と同じものか
同じものであるとした場合(判例はそう解する)に、
「Cが甲建物に住むことができる方法」は
共有物の管理の問題として扱い、BCDで「甲建物の占有者
をBからCに変更する」旨の決議をすればよいのだろうか。
共有物の管理の問題だとしても、「変更行為(全員一致)」に当
たるのか「管理行為(多数決)」に当たるのかなど迷うところである。
予備試験問題は、こういう点に踏み込ませないように、相続人以外の者
を登場させて思考の方向性をコントロールしているものと思われた。
全く的外れかもしれないが・・・・。 >>34【問題8:民法】
Aが本件土地に土砂を搬入して建物を建築することは
共有物の性状を物理的に変更することである。
共有物に変更を加える行為は、他の共有者の共有持分権を侵害
するものであり、他の共有者の同意を得ない限り、これをする
ことが許されない(民法251条)。
共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用
をすることができる(249条)ところ、自己の共有持分権
に対する侵害がある場合には、
単独で共有物全部についての妨害排除請求をする
ことができる。
よって、Dは、Aに対して、既存の侵害状態を排除するために
必要かつ相当な範囲で
建物の建築禁止、土砂の除去を請求することができる。
〔最高裁判決(平10・3・24判時1641-80)参考〕 >>39【問題9:民法】
〔1〕共有者の協議によって分割する(256条1項本文)。
〔2〕協議が整わないときは裁判所に分割請求することができる(258条1項)
@現物分割……原則的な方法(柔軟に実施)
A価額分割……共有物を競売してその代金を分割する方法(258条2項)
・現物分割ができない
・現物分割によって著しくその価格を減少するおそれがある
B全面的価格賠償(解釈上の方法)
最高裁判決(平8・10・31)は、
(@)民法258条2項の裁判所による共有物の分割は、・・・その本質は非訟事件であって、
・・・・・他の分割方法を一切否定した趣旨のものとは解されない。
(A)「当該共有物を共有者のうちの特定の者に取得させるのが相当であると認められ、かつ、
その価格が適正に評価され、当該共有物を取得する者に支払能力があって、他の共有者には
その持分の価格を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないと認められる
特段の事情が存するときは、共有物を共有者のうちの1人の単独所有又は数人の共有とし、
これらの者から他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法、すなわち全面的価格賠償
の方法による分割をすることも許される」とした。 >>31
本当に最高だ!
うん、オレもなんかコメントできたら、させてもらう!! >>42
択一知識としては、裁判上の分割は訴訟の形式で行われる判決手続だって点もよくでるぜ!
(実質は非訟ってのは形式は訴訟ってこと)
これに対して、相続分野の遺産分割は形式からして非訟手続だって点も聞かれる!
(907条2項「家庭裁判所に対して請求」)
川井第2版 P190参照 【整理1:共有物をめぐる登記請求〔判例の整理〕】
(1) 債権的登記請求
@共有者の1人から共有持分を譲り受けた者は、単独で、
持分の譲渡人を相手方として、持分移転登記を請求できる。
A共有物全体を譲り受けた者は、譲渡人たる共有者の1人を
相手方として、共有物全体に関する移転登記を請求できる。
(2) 物権的登記請求
@全くの無権利者が共有不動産につき単独名義の登記をしている場合には
共有者の1人は、単独で、全部の抹消登記を請求することができる。
A共同相続人の1人が勝手に自己名義の単独登記をした場合、他の共有者
の1人は、自己の持分の限りでの一部抹消(更正登記)を請求できる。
← 登記全部の抹消を求めることはできない。 【問題10:憲法 (旧司/平成18年度第2問)】
A市において、「市長は、住民全体の利害に重大な影響を及ぼす事項については、
住民投票を実施することができる。この場合、市長及び議会は、住民投票の結果
に従わなければならない。」という趣旨の条例が制定されたと仮定する。
この条例に含まれる憲法上の問題点について、「内閣総理大臣は、国民全体の利害
に重大な影響を及ぼす事項について、国民投票を実施することができる。この場合、
内閣及び国会は、国民投票の結果に従わなければならない。」という趣旨の法律が
制定された場合と比較しつつ、論ぜよ。 >>46
1 A市の条例は、その対象事項を「A市の住民全体の利害に
重大な影響を及ぼす事項」とし、「住民投票の結果に市長及び
議会が従わなければならない」とする、いわゆる拘束型の住民
投票条例である。
この条例は、A市の住民意思を政治に直接的に反映させるという点に
おいて直接民主制の性格を持つ。この点においては、設問後段の
法律と共通する。
このような直接民主制的性格を有するA市の条例を憲法は許容して
いるのだろうか、設問後段の法律と比較しつつ論じる。 2 憲法は、国政においても地方政治においても間接民主制
を原則としている(前文、43条1項、93条1項)。
間接民主制は、議会に民意が直接的に流入するのを遮断し、
理性的かつ自由な討論と妥協を経て、
統一的な国家意思を形成し(国政の場合)、あるいは地域に相応しい
政治運営をする(地方政治の場合)のに適合的だからである。
しかし、国政では直接民主制を極めて限定的に採用
(96条、79条、95条)しているのに対し、地方政治では、
地方公共団体の組織及び運営に関する事項を地方自治の本旨に
基づいて設置する(92条)ものとし、地方特別法の制定には
住民の直接参加を必要(95条)とし、議会とは別に住民の直接
公選による長を置く(93条2項)ものとするなど、国に比して
積極的に直接民主制を採用している。 3 憲法が統治の構造として、国も地方も間接民主制を基本にし
つつも、地方では国よりも直接民主制の導入に積極的な構造を
採っているのは何故だろうか。
憲法は、国には統一的国家意思の形成を、地方には地域住民
の意思に密着した政治を、という役割分担を期待し、地方では
地域に密着した事柄につき地域住民の意思を採り入れて適切な
政治運営をしようとしたのである。
このような国に対峙する地方という構図は、自由主義を守るとともに、
その一方で、地方が国を補完して民主主義をより活性化するという
関係であると考えられる(立憲民主主義の維持・補完)。 4(1) このような国政における直接民主制に対する極めて限定的
な態度は、憲法が明文で認めるもの以外の直接民主制は認めない
趣旨であると解せられ、設問法律のような拘束型の国民投票制度
の導入は違憲であると解する。そればかりではない。設問法律は、
特定の法案の成否を国民意思で拘束することになるので、
41条の一内容たる国会単独立法の原則にも反し許されない。
(2) では、A市の条例についてどうか。
地方政治に地域住民の意思を反映させようとした憲法の趣旨
からすると、住民意思をA市の政治に反映させようとしたA市
の条例は許容されるように思える。
しかし、A市の条例は、その対象事項を「住民全体の利害に
重大な影響を及ぼす事項」としているので、防衛やエネルギー
政策など国の固有の政策に関わる事項も住民投票の対象となる。
そうである以上、A市のような拘束型の住民投票は、
国家の政策と衝突を来す場合があることを否定できない。
このような事態を憲法は予定しているものではないと考える。
以上より、地方政治の参考にする趣旨で行われる住民投票制度
ならばともかく、A市のような拘束型の住民投票条例は違憲で
あると解する。 【整理2:刑法】
文書の意義
・文書は日常生活の中で権利や資格などの証明手段として重要な役割
←文書に対する公共的信用(この刑法的保護の必要性)
・文書の定義(成立要件)も文書の役割との関係で理解すべし
文書とは、
@文字またはこれに代わるべき可読的符号を用い(可視性・可読性)、
A永続すべき状態で(持続性)、
B意思または観念を表示した物体で(思想性)、
Cその表示の内容が法律上または社会生活上重要な事項
に関する証拠となりうるもの(証拠性)をいう
・@可視性・可読性
× レコード・テープ
× 電磁的記録は文書にも公正証書の原本にも含まれない
・A持続性
× 雪の上に書いた文字・電光ニュース
B思想性
○ 銀行の支払伝票、物品税表示証紙
× 名刺、門札、番号札
C証拠性
× 小説や詩歌はたとえ思想を表示するものであっても文書ではない。
←法律上・社会生活上の重要事項に関し証拠とならない 【問題11:民訴】
次の控訴審の裁判は正しいか。
@甲は乙に売買代金500万円の支払いを求める訴えを提起し全部勝訴。
A乙は、詐欺されていた事実を判決直後に知ったので、売買契約の詐欺
取消しを主張して控訴した。
B甲は、準備書面を提出せず、口頭弁論を終始欠席。
C控訴審は、証拠調べの結果、詐欺の事実は認められないとして控訴棄却。 >>52
1 そもそも乙の詐欺取消しは時機に後れた攻撃防御方法の
提出(157条1項)として却下されるべきではないか。
判決直後に知ったので、重過失なければ、時機に後れたとは言えず
2 終始欠席かつ準備書面不提出なので、乙の詐欺の事実主張に対し
擬制自白(159条3項)が成立しているのではないか。
甲の本訴請求は売買契約が有効に成立したことを前提とするものである
から甲が本訴を提起維持している以上(取り下げもしていない)、
控訴審では詐欺の事実を争っているものと考えるべきであり、
擬制自白は成立していない。
3 とすれば、甲が詐欺の事実を争っていることになるから、乙は、詐欺の
事実の存在を証拠によって証明しなければならず、乙の訴訟行為は
その申出をしたもの
4 控訴審が証拠調べに入り、詐欺の事実が認められないという心証を得て
乙の主張を排斥し控訴を棄却したのは正しい。 【問題12:民法】
Aは、B所有の甲土地を購入する契約をBと締結し、
甲土地の売買代金をBに支払った。しかし、甲土地
が値上がり始めたので、Bは、甲土地を事情を知ら
ないEに売却して移転登記をした。Aは、Bに対して、
どのような請求をすることができるか。 >>54
〔1〕契約解除をしない場合にAがBに対してなしうる請求
@履行不能による損害賠償請求(填補賠償)
A履行不能までの遅延賠償
〔2〕契約解除をした場合にAがBに対してなしうる請求
@原状回復請求権
ア 代金返還請求権
イ 受領時から返還までの利息(遅延利息ではない)
A損害賠償請求権(545条3項)
→債権者保護のために解除の遡及効に制限を加えて存続させた(直接効果説から) 【問題11:民法(予備試験平成24年設問1の論点関連)】
〔受託物上保証人の検索の抗弁権について受託保証人と比較して論ぜよ〕
(1) 保証人には催告・検索の抗弁権が認められている(452条、453条)。
では、物上保証人にも催告・検索の抗弁権が認められるか、明文がないので
問題となる。
(2) 保証人は自ら債務を負担し、かつ一般財産をもって無限責任を負う。
これに対し、物上保証人は自らは債務を負担せず、かつ担保に供した
特定財産に限定された有限責任を負う。このように物上保証人は債務を
負担しないから、債務の履行請求を受けることはなく、
そもそも催告の抗弁権は問題とはならない。
(3) 検索の抗弁権についてはどうか。
思うに、物的担保は、債権者が特定財産から他の一般債権者に優先して
確実に満足を得るためのものであり、物上保証人としても物的担保に供した
特定財産に限定して責任を負う制度である。
そうであれば、検索の抗弁権によって物上保証人を保護する必要性は
保証人よりも低いし、債権者としても検索の抗弁権により保護されることを
期待していない。
よって、受託物上保証人には検索の抗弁権は認められない。 【問題12:民法(予備試験平成24年設問1の論点関連)】
〔受託物上保証人の事前求償権〕
受託保証人には主たる債務者に対して事前求償権が認めら
れる(民法460条2号)が、受託物上保証人については規定がないため
問題になる。
〔否定説〕〔最高裁平成2年12月l8日は否定〕(川井、高橋(眞)、池田)
@民法372条が準用する351条は、担保権の実行により「所有権を失ったとき」
に求償権を取得すると規定している。
A事前求償権は、委託された保証債務の履行という委任事務処理の費用の
前払請求たる性質を有するが、物上保証人がなす主たる債務の免責行為は
委任事務の処理ではなく、委任事務処理の前払請求たる事前求償が発生す
る余地がない。
B被担保債権の消滅の有無及びその範囲は、目的物の売却代金の配当等
によって確定するから、事前求償にはなじまない。 【整理3:民法】
売買の担保責任:悪意でも可
1 一部他人の権利の場合は代金減額請求が認められ
2 全部他人の権利の場合は解除が認められ
3 担保権による制限がある場合は損害賠償と解除が認められ
損害賠償は次の4パターン
@悪意なら損害賠償不可→561条
A損害賠償請求を「妨げない」→563条3項
B損害賠償請求「のみ」することができる→566条1項・570条(準用)
C(損害)賠償を請求することができる→567条3項、568条3項 【問題15:刑法】
甲は、高級腕時計を自宅の机の上に置いていたところ、甲宅に来ていた知人Aが
甲の隙をみてそれを持ち去り自宅の机の抽斗に保管して出かけた。その直後、
乙がAへの嫌がらせのためにA宅に忍び込み、物盗りの犯行に見せかけるため、
Aが保管していた上記高級腕時計を持ち去り、木箱に入れて自宅の庭に埋めた。
Aが帰宅の途に着いた3時間後、甲は高級腕時計がないことに気づき、Aが盗んだ
に違いないと考え、Aから取り戻すつもりでA宅に赴いた。Aが留守だったので
甲はA宅に勝手に入り込み、部屋の隅々まで探したが見つけることが出来ず
諦めて何も取らずに帰宅した。甲及び乙の罪責について論ぜよ 【問題16:民法(最判平成15年7月11日題材)】
Aの所有する甲土地をX、B、Cが共同相続し、各自3分の1の持分
とする所有権移転登記がなされた。Bは、自己の持分をYに売却して
持分移転登記をしたが、BY間の売買が公序良俗違反で無効であった。
Xは、単独で、Yに対してY名義の持分移転登記の抹消登記手続を
請求することができるか。 【問題17:憲法 旧司平成19年度第1問】
A市では、条例で、市職員の採用に当たり、日本国籍を有することを要件としている。
この条例の憲法上の問題点について、市議会議員の選挙権が、法律で、日本国籍を
有する者に限定されていることと対比しつつ、論ぜよ。 【問題18:民訴旧司平成3年度第2問改題(小問1)】
甲は乙を被告として貸金返還を求めて訴訟提起した。
その訴訟係属中に、乙は、甲から当該債権を丙に譲渡した
旨の通知を受け取った。乙が丙をこの訴訟に引き込みたい
と考えた場合,乙はどのような方法を取ることができるか。 【問題19:民訴 旧司平成18年第1問】
訴状の必要的記載事項の趣旨を明らかにした上で,
その不備を理由とする訴状の却下について,
その裁判の形式と効果を踏まえて,説明せよ。 【問題20:民訴法 旧司平成20年第2問 小問1】
債権者Xの保証人Yに対する保証債務履行請求訴訟に、
主債務者Zは、Yを補助するため参加した。
第一審でY敗訴の判決が言い渡され、その判決書の正本
が平成20年7月3日にYに、同月5日にZに、それぞれ
送達された。Yはこの判決に対して何もしなかったが、
Zは同月18日に控訴状を第一審裁判所に提出した。
この控訴は適法か。 ○論文式試験において必要なのは、
自分では使いこなせない細かい知識ではなく、
多くの法律家・受験生が議論するであろう事項を、
長文の問題文から読み取る能力。
このような事案からの読み取り能力が備わり、
答案で書くべき事項を外さないようになれば、
安定的に合格答案を作成できるようになる。
○あるべき適切な勉強の継続・蓄積の成果はたんなる合格
を超えて知的基礎体力と応用力を備えた実務家に結びつく
と確信している。判例についての内在的な理解、学説の位置づけ、
基本的な事柄についての勉強の仕方について誤りがあれば、
早急に改めよう。 【整理4:刑法】 110条1項の「公共の危険の認識」の要否
〔認識不要説〕(判例)
@110条は「よって」という文言を用いているから結果的加重犯であり、
重い結果である「公共の危険」を発生させたことについての認識は不要。
A110条の「公共の危険」は、108条・109条1項の建造物に延焼する危険
であるが、そのような公共の危険の認識がある場合は、108条・109条1項
の放火罪の故意があることになる。
〔認識必要説〕(通説)
@110条の公共の危険が構成要件要素である以上、その認識も故意の内容になる。
A[110条を結果的加重犯と解することに反対]
非建造物の「焼損」自体は(放火罪として)不可罰であるから、基本行為を「焼損」と
するわけにはいかず、さりとて、器物損壊行為には加重結果たる「公共の危険」を
発生させる性質はなく、これを基本行為とすることもできない。結果的加重犯は、
その基本行為が加重結果を惹起する危険性を有している点にその処罰根拠がある
からである。
・(通説に対する批判)
・公共の危険の発生の認識と108条・109条1項の未必の故意との区別が困難((藤木)。
(通説側からの反論)
・「延焼の具体的認識」と公共の危険としての「延焼の危険」の認識と区別できる。
・ 「公共の危険」は延焼の危険に限られず、有毒ガスや煙の発生による危険、
火力による火傷の危険などのように延焼の危険とは別個の公共の危険もある(井田・基本講座6‐l86)。 【整理5:刑法】 共犯と身分
〔問題の所在〕
65条1項 → 身分が連帯的に作用(非は身と同じく扱われる)
65条2項 → 身分が個別的に作用(非は身とは別の取扱い)
〔判例・通説〕
65条1項は真正身分に関する規定
65条2項は不真正身分に関する規定
(根拠)
@文言に忠実(真正・不真正の区別は条文より比較的容易に判断可能)
A非身分者は結果発生に因果力を行使可能(真正身分の説明)
B身分者と非身分者は、各自の犯罪を実現せんとする者であり、ただ
因果関係の共同による結果惹起によって共犯となるものであるから、
各行為者の行為と結果との因果性は個別処理になじむ(不真正身分の説明)
〔団藤〕
65条1項は(真正・不真正を問わず)身分犯の成立を規定
65条2項は不真正身分について「科刑」を規定
(根拠)@65条1項
・共犯の本質は犯罪共同説
→身分犯についても犯罪成立レベルでは連帯を認めて
罪名従属性を徹底すべし
・不真正身分犯も身分を有することによって初めて構成される犯罪
A65条2項
・2項による個別化を科刑のレベルに封じ込め、その適用を制限。 【問題:民法21】
物上保証人は、被担保債務者が債権者に対して有する相殺権
を行使することができるか。
保証人は主債務者の有する債権をもって相殺できるが(457条2項)、
物上保証人はどうか
↓
物上保証人は、保証人のように自らが債務を負うわけではなく
限定された責任のみを負担する者であるから、保証人と同様の
保護を与える必要はないとも思える。
↓
しかし、457条2項の趣旨は、主債務者無資力による求償の無意味化
というリスクを保証人に負わせないとともに、法律関係の簡易決済を
図るという点にある。物上保証人にも被担保債務者が無資力であれば
求償が無意味になるリスクがあり、法律関係の簡易決済の要請はある。
↓
よって、物上保証人にも被担保債務者が債権者に対して有する相殺権を
行使できるものと解する。 >>60
【問題16:民法(最判平成15年7月11日題材)】
@BY間の売買が無効である以上、Yの持分移転登記は
実体関係に合致しない無効の登記(不実登記)である。
ただし、共有物である甲土地の全体につき虚偽の登記が
なされている場合ではなく、少なくともX及びCの持分
に関する限りでは実体に合致した登記がなされている。
Aでは、Xは、自己の持分の範囲を越えて、単独でYに
対して、B Y 間持分移転登記の抹消登記請求をすること
ができるか。
B 最高裁は、設問と類似の事案において、保存行為(252条但書)
としてではなく、249条を根拠に同様の結論を示している。
思うに、Xは、持分に応じて甲土地全体を利用する権利
を有するところ(249条)、実体関係に合致しないBY間の
持分移転登記が存在することにより、その持分の円滑な使用
・管理・変更が妨げられ、X固有の持分権が侵害されている
といえる。よって、249条を根拠に、Xは、単独でYに対して、
B Y 間持分移転登記の抹消登記請求をすることができる。 【整理6:憲法】
*憲法41条は,国会を「唯一の」立法機関であると規定している。
*「唯一の」とは,
@国会以外に国の立法機関はない
A国会の行う立法に,国会以外の機関が関与することはない
という意味である。つまり,
@法律を作るのは国会だけであり
A法律は国会が単独で作る(他の機関の関与を必要とせずに成立する)
ということである。
@は国会中心立法の原則,Aは国会単独立法の原則
の問題である。
*国会中心立法の原則の例外を挙げよ。
@議院規則(58条2項),A最高裁判所規則(77条1項)など
*国会単独立法の原則の内容を示したと解される憲法の条文を挙げよ。
憲法59条1項である。明治憲法下では,議会だけでは法律を制定する
ことは出来ず,天皇の裁可によって初めて法律となるとされていたのを
改め,国会の議決だけで法律が成立するとしたものである。
*国会単独立法の原則の例外は?
地方自治特別法(96条)
*国会単独立法の原則との関係で問題となるもの(論点)を挙げよ。
@内閣の法律案提出権,A最高裁判所の法案提出権,B国民発案・表決制度など。 【問題:憲法22 (旧司昭和63年第2問)】
「国会は,必要があると認めるときは,議決により法律案を国民投票に付すること
ができる。その場合,投票の過半数の賛成があるときは,右法律案は法律として
成立する。」という趣旨の法律が制定されたとする。
この法律に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。 【問題23:憲法】
「国会が法律を制定する過程で,憲法上の疑義があると考えるときは,
最高裁判所にその意見を求めることができる。最高裁判所は,国会の
求めに応じて,立法に対して勧告的に意見を述べることができる。」という
法律案に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。 >>73
【問題23:憲法】
1 本問法律案は,国会が法律を制定するにあたり他の国家機関たる
最高裁判所の関与を認めるものであるから,憲法41条に反しないか。
すなわち、41条の「唯一の」とは………ということであり、
国会中心立法・国会単独立法を意味する。
この点,最高裁判所の意見が直ちに立法内容となるわけではない
ので、国会中心立法にも国会単独立法にも反せず、41条に反しない。
2 41条に反しないとしても、最高裁判所が勧告的意見を述ベること
は、司法権の範囲内に属することなのか、それとも司法権の範囲外
の権限を行使することになって違憲ではないのかが問題となる。
(1)思うに、憲法76条の「司法」の意味は………であり、事件性が
その要件となるところ、本問法律案は未だ事件性の要件を具備して
おらず,司法権の範囲外にあるといえる。
(2)そうだとしても,司法権の範囲外の権限を最高裁判所が全く行使
しえないかはさらに考慮を要する問題である。
憲法が裁判所に与えた地位や役割に反しない限り,違憲審査権の行使
を認めることもできる,という立論も可能だからである。
(3)そこで、考えるに……… >>69
判例は物上保証人の相殺を認めていなかった気がする!
択一は注意やで! >>70
ぶぅわっかも〜〜〜ん!!
パンパンパーン
∧__∧ ∩
(,,`・ω・´)彡☆
⊂彡☆))(ェ)´) ← >>69
☆ 【整理7:刑法】
乙に金銭を貸した甲が、乙から受取った借用証を紛失したため、乙に無断で
内容を変えないで乙名義の借用証を作成した。これは文書偽造となるか(署名・捺印
の点は考慮しなくてよい)。
@文書に対する社会の信用は、主としてその形式の真正にあるのか、内容の真正にあるのか?
A文書の形式の真正(作成名義の真正)にあるする立場を形式主義といい、内容の真正にある
とする立場を実質主義という。形式主義によれば文書の偽造となる。実質主義によれば文書の
偽造とはならない。
B刑法は形式主義を基調としている。
・作成名義の真正を偽る文書偽造罪と内容虚偽の文書を作成する虚偽文書作成罪とを区別
・「公文書」については有形偽造も無形偽造も処罰
・「私文書」については原則として有形偽造のみ処罰
・刑法各本条の構成要件的行為の「偽造」は「有形偽造」(最狭義)。
*有形偽造とは正当な権限がないのに他人の作成名義を冒用して文書を作成すること。
*最近は「名義人と作成者の人格の同一性を偽ること」というのが判例・通説。 【問題24:民法】
Aは、B所有の甲土地を購入する契約をBと締結した。その際、Cは、
Bから頼まれてBの保証人となった。その後、Aは、Bの債務不履行を
理由にBとの売買契約を解除した。Aは、Cに対し、保証債務の履行の
内容として、甲土地売買代金の返還とその利息の支払い,及び
債務不履行に基づく損害賠償額の請求をすることができるか。 【整理8:民法】 処分権限なく他人の不動産を処分した場合
民法94条2項類推適用の(1)帰責事由と(2)信頼の対象
(1) 帰責事由
@不実登記の名義人が自己の名で処分した場合
→本人の意思に基づく不実登記の作出・存続(最判昭和45年9月22日)
A無権代理人が代理人として処分した場合
→無権代理行為の原因・危険の作出に対する寄与で足りる
・他人に事務処理を委託するリスクは本人が引き受けるべき
・代理権の範囲は本人側の内部事情にすぎない
(2)信頼の対象
@における信頼の対象は処分者への所有権帰属である。
・自己所有名義の登記に起因する信頼であるから
Aにおける信頼の対象は代理権の存否・内容である。
・他人の重要財産の処分であるから
→原則として処分権限につき高度な調査確認義務あり
なお、不実登記に対する認容がなくても、本人の帰責性の程度が
「自ら外観の作出に積極的に関与した場合やこれを知りながらあえて
放置した場合と同視しうるほど重い」場合には、
民法94条2項・110条の類推適用を認めるべきである(最判平成18・2・23)。 【問題25:民法】
Aの息子Bは、Aが入院中に、Aの家から実印を勝手に持ち出して
「AがBに対して、A所有の甲土地の売却についての代理権を授与
した」旨の委任状を偽造した。Bは、その委任状を提示しつつ
Aの代理人だと称して、甲土地をCに売却する契約を締結し
Cに移転登記手続を経由させた。
Aは、Cに対し、移転登記の抹消を請求することができるか。 >>78
【問題24:民法】
1 売買代金の返還と利息の支払いについて
契約の解除は契約の遡及的消滅をもたらすので、解除によって
発生する原状回復義務は、本来の債務とは別個の不当利得返還
義務である。とすれば、保証債務の付従性により(448条参照)、
保証人は原状回復義務についてまで保証債務を負わないようにも
思える。
しかし、特定物売買における売主のための保証人は、当該目的物
の給付を代わってするというよりも、むしろ、債務不履行に起因する
解除による原状回復義務を保証する意思で保証するのが通常である。
したがって、買主は、保証人が特に反対の意思表示をしない限り、
保証人に対し原状回復の履行請求をすることができるものと考える。
よって、AはCに対し、Bに対する代金の返還と利息の支払いについて
保証債務の履行請求をすることができる。
2 損害賠償債務について
Aは、契約を解除してもBに対して損害賠償の請求をすることが認めら
れる(545条3項)。民法は、解除に契約の遡及的消滅の効果をもたらすが、
債務不履行に基づく損害発生の事実まで消滅させるものではなく、損害
賠償債務は本来の債務と同一性を保って存続することを認めたものと解さ
れるからである。そうだとすれば、本来の主たる債務と同一性を有する損害
賠償債務について保証の効力は及ぶと解せられるから、AはCに対して、
損害賠償債務につき保証債務の履行を請求できる。
以上より、Aは、債務不履行に基づく損害賠償について、Cに保証債務の
履行を請求 することができる >>63
【問題19:民訴(旧司平成18−1)】
1 訴状の必要的記載事項の趣旨について
(1) 訴訟は、原告による訴えの提起をまって開始され、訴えの提起は訴状を裁判所へ
提出するという方式によるのが原則である(133条1項、簡易裁判所につき271条)。
訴状には、@当事者及びA法定代理人、B請求の趣旨及びC請求原因を記載しなけ
ればならない(133条2項)。これらを必要的記載事項という。
(2) 必要的記載事項の趣旨は、これらの事項の記載によって、訴えの内容を明らか
にすることにある。すなわち、当事者と訴訟物を明確にし、裁判所に対して審判要求を
明確にするとともに、被告に対して防御の対象を明らかにすることにある。
法定代理人の記載は、法定代理人等によってのみ訴訟追行できる場合の訴訟追行者
を明らかにして訴訟の進行に支障を来たさないようにするためである。 2 必要的記載事項の不備を理由とする訴状の却下について
(1) 上述のような必要的記載事項の趣旨からすれば、訴状がその必要的
記載事項を欠く場合には、訴えの内容が明確にならず、裁判所は審判を
進めることができないことになる。そこで、裁判長は、原告に対して、
相当の期間を定めて補正を命じなければならない(137条1項、規則56条)と
されている。この「相当の期間」は、いわゆる裁定期間であり、裁判長が補正
すべき事項の難易に応じて定めるものである。原告がこの補正命令に従わ
ない場合には、裁判長は命令で、訴状を却下しなければならない(137条2項)。
これを訴状却下命令という。
(2)訴状却下命令は、判決とは異なり、原告のみを名宛人とする裁判長の「命令」
である。原告のみが、訴状却下命令に対して即時抗告をすることができ
(137条3項、334条1項)、被告は、不服申立てをすることはできない。
(3)訴状却下命令は、補正期間の経過後でなければ発令できないものの、
原告から補正期間伸長の申出があっても、それに応じるか否かは裁判長の
裁量に属することである。しかし、裁判長の予測の及ばぬところで、原告は訴状
の補正に手間取ることもありうるし、訴状却下命令が発令されると、訴訟係属及び
訴訟係属を前提とする訴訟法上の効果は発生せず、さらには、時効中断効も
訴えの却下に準じて遡及的に消滅するものと解されているなど、
原告に重大な不利益を及ぼすおそれもある。そこで、原告から補正期間伸長の
申出があったときは、場合によっては再度の補正期間を設定するなどの慎重な
取扱いが期待される。 >>80
【問題25:民法】
1 Bは、Aの代理人としてCと契約しているが、無権代理である。
2 表見代理が成立するかが問題となるも、成立しない。
@BにはAから基本代理権すら付与されておらず、110条、112条は問題にならない。
A119条はどうか。Bに対して代理権を与えた旨をAは表示したのかというと、そのような表示行為はない。
3 Bの代理行為の効果はAに帰属しないから、AからCに土地の所有権は移転していない。
Cの登記は無効登記である。ゆえに、AはCに対して登記抹消請求ができる。 【整理9:民訴】
1 欠席対策の必要性
・必要的口頭弁論の原則(87条1項本文)
・双方審尋主義及び口頭主義を貫くと本来ならば口頭弁論を開くこと不可
・期日の無駄を避け、訴訟遅延を防止、相手方当事者との公平
2 最初の期日の欠席
(1)一方の欠席の場合
・陳述擬制(公平の見地から被告欠席の場合も)
・訴状その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなす(158条)
・出席当事者の陳述は準備書面に記載した事実に限定(161条3項)
・欠席当事者提出書面(陳述擬制された書面)で
明らかに争っていない場合は擬制自白(159条3項)
争っていれば、出席当事者の弁論とつき合わせて証拠調べに進む
・弁論続行の必要性があれば次回期日を指定(93条1項)
・裁判をなすに熟すれば、口頭弁論終結、終局判決可能(243条1項)
(2) 双方欠席の場合
・当該期日は終了(次回期日の指定)(93条1項)
・証拠調べは可能(l83条)
・裁判をなすに熟すれば終局判決(243条l項)
・審理の現状にもとづく判決(ただし出席当事者の申出)
4 続行期日の欠席
・陳述擬制なし(簡裁の場合は)、審理・判決は最初の期日の欠席の場合と同様
・審理の現状にもとづく終局判決(244条)。
・双方欠席で1か月以内に期日指定申立てなし・双方2回連続欠席は
訴えの取下げがあったものとみなす(263条) 315 名前:氏名黙秘[sage] 投稿日:2017/03/30(木) 11:32:28.16 ID:Y//kZhsv
論文は知識じゃなくて、フィジカルな部分が大きいんだよ
2時間で8ページ書こうと思ったら単純計算で1ページ15分かかる
教科書の記述を何も考えずに写経するだけでも1ページ5分はキツい
内容を考え、誤字脱字表現に気をつけて時間制限のプレッシャーの中で書くのは非常な困難を伴う
スポーツと同じで、日頃からそれに特化したトレーニングを積み重ねないといけない
若くて運動神経が良い学部生、ロー生が有利なのは当然
運動不足トレーニング不足の中年ベテは相手にならない
また、知識があればあるほど、膨大な知識からどれをどのように書くか、なぜ書くのか、どれを書かないか、なぜ書かないのか、というメタ的な思考の負荷が増える
知識が多くない人は自分の書ける基本事項を丁寧に書く。
予備校の基礎講座であるとか、学部の講義で必ず取り上げる百選レベルの判例などはしっかり勉強している
知識がないので論点落としはするが、配点の多い基礎論点を正確に論じて、事実をきちんと拾う時間が生まれるので、論点落としのマイナスを十分カバーできる
そして何より途中答案が回避できる
勉強期間の長い人は基礎論点と応用論点の切り分けが曖昧で、配点の大きい基礎論点ほど、あまりに当たり前と軽視して丁寧な説明、論証を怠ってしまう
応用部分に着目し、あっさり流すことができずに時間を食われ、不十分な答案になる ここまでで未処理の問題
【問題15:刑法】 >>59
【問題17:憲法 旧司平成19年度第1問】 >>61
【問題18:民訴旧司平成3年度第2問改題(小問1)】 >>62
【問題20:民訴法 旧司平成20年第2問 小問1】 >>64
【問題:憲法22 (旧司昭和63年第2問)】 >>72 【問題26:民法】
Aは、Bに対する貸金債務を担保するため、自己所有の甲不動産について
Bのために抵当権を設定し、その旨の登記をした。甲不動産をCが権原なく
占有しているが、そのような状況を考慮しても、甲不動産の評価額はBの
債権全額を弁済するに足りるものであった。Aが貸金債務の返済を怠った
ため、Bは抵当権の実行を申し立てようと考えている。Bは、Cに対して、
自己へ甲不動産の明渡すよう請求することができるか。 【問題27:民訴】
共同訴訟における訴訟資料と訴訟進行に関する手続規律について論ぜよ。 【問題28:民訴】
原告甲と被告乙は、乙がA土地を甲に対する債務の代物弁済とする訴訟上の
和解をしたが、和解当時、甲も乙も「A土地が宅地としては利用価値のない土
地」であることを知らなかった。その後、甲は錯誤無効を主張して和解の効力を
争うことができるか。 >>91
ありがとう。ときどき覗きにきてください。
気が向いたら、突っ込み、誤りの指摘、励まし、
お叱り、罵倒、などなど
おながいしまつ。
【整理10:民法】
*権利外観法理は<第三者の要保護性>+<本人の帰責性>
民法の表見代理では、<本人の帰責性>を、
109条は代理行為者に対して代理権を与えた旨を本人が表示した
110条は基本代理権の授与
112条は代理権を授与したのに、その消滅を明らかにしなかった
(外観を除去できなかった)
という点に求める。 【問題29:商法】
取締役及び監査役全員が出席した甲株式会社の取締役会において、
取締役Bが、取締役会招集通知には記載されていなかった「代表取締役Aを
解職する」旨の動議を代表取締役であるA議長の許可を得ずに提出したところ、
Aを除く取締役全員の賛成により解職決議が可決された。
この解職決議は有効か。 【問題30:民訴】
訴訟参加の意義について説明した上で、係属中の訴訟に当事者として参加する方法に
ついて論ぜよ。 >>59
【問題15:刑法】
甲の罪責
1 住居侵入罪
2 窃盗未遂罪の成否
(1) 甲がAに盗まれた高級腕時計をAから取り戻そうとA宅内を物色した
行為について、甲に窃盗罪(235条)が成立するか。
@不能犯ではないか →不能犯ではない(具体的危険説)
A刑法242条の他人の「占有」は法的権限にもとづく占有なのか否か、
窃盗罪の保護法益と関連して問題となる。
・ 現代の複雑な財産関係の下では適法な権原に基づかない占有といえども
一応保護することが財産秩序の維持に資するし、242条の「他人の財物とみなす」
という文言は、財物の利用関係としての占有それ自体を保護するものと読むのが
素直である。したがって、窃盗罪の保護法益は事実上の支配である占有それ自体
であり、242条の「占有」はすべての占有を意味するものと解する。
・処罰範囲の限定は、違法性レベルにおいて、目的の正当性、行為の必要性、
緊急性、手段の相当性等を総合考慮して具体的に判断すればよいと考える。
(2)本問では、甲がA宅で物色行為をしているから、Aの占有侵害行為があり、
窃盗未遂罪の構成要件に該当する。しかし、甲は取戻し目的は正当であり、
必要性、緊急性も認められるものの、住居侵入を犯した上Aに無断で持ち帰ろう
としており、手段の相当性を欠くため違法性は阻却されない。
したがって、甲には窃盗未遂罪が成立する。 >>59
【問題15:刑法】
乙の罪責
1 住居侵入罪
2 窃盗犯から盗品を窃取した行為について
(1) 乙が……行為について、乙に窃盗罪が成立するか。上述
のように242条の他人の「占有」は……であるから……。
(2) もっとも、乙はAに対する嫌がらせ目的で物盗りの犯行に
みせかけるために、腕時計を持ち去っているため窃盗罪は成立
しないのではないか。 不法領得の意思の要否とその内容が問題となる。
思うに、財産上の損害が軽微な一時使用の占有侵害にまで刑罰を
もって禁圧する必要はない。このような不可罰な財物の一時使用
を排除するために、窃盗罪の主観的要件として、単なる占有侵害の
認識のみならず、所有者として振る舞う意思が必要であると考える。
また、占有侵害という点では同一であるにもかかわらず、窃盗罪を
毀棄隠匿罪より重く処罰しているのは、物を利用、処分する意思で
占有侵害する方が類型的に責任が重いからである。そこで、より強い
非難に値する窃盗罪と毀棄・隠匿罪を区別するために、本罪の主観的
要件として、物の経済的用法に従い利用、処分する意思が必要である
と考える。
したがって、窃盗罪の成立には不法領得の意思が必要であり、
その内容として、@権利者を排除して所有者として振る舞う意思、
およびA物の経済的用法に従い利用、処分する意思が必要である。
(3)本問では、乙は嫌がらせ目的で高級腕時計を持ち去っているから、
@の意思は認められるが、Aの意思は認められない。
したがって、乙には、不法領得の意思が欠けるので、乙に窃盗罪は成立しない。 とても勉強になる
Evaluation: Good! 矮人の観場(わいじんのかんじょう)
背丈の低い人が,劇場で背の高い人 の後ろで見物し,見えもしないのに
前の人の意見に同意するという意味。識見がないこと。
また,批判することもなく他人の意見に従うこと。 【問】○か×か。
「エホバの証人」の信者が、医師に対して輸血を拒否する意思を明確に表示していたにもかかわらず、
手術の際に輸血されたことを理由に不法行為に基づく損害賠償を求めた事件において、最高裁判所は、
「患者が,輸血を受けることは自己の宗教上の信念に反するとして,輸血を伴う医療行為を拒否すると
の明確な意思を有している場合,このような意思決定をする権利は,人格権の一内容として尊重されな
ければならない」と判示した(旧司法試験平成22年bSD)。
【解】×
最高裁平成12年2月29日判決は、「患者が,輸血を受けることは自己の宗教上の信念に反するとして,
輸血を伴う医療行為を拒否するとの明確な意思を有している場合,このような意思決定をする権利は,
人格権の一内容として尊重されなければならない」と判示した( 最高裁は「自己決定権」ではなく
「人格権」の語を用いている)。