意思外形非対応型


Aは自己の不動産につきBに仮登記を与えたところ,Bは勝手にA
の登記書類を利用してB名義の本登記に改め,善意のCに売却した場
合,Cは保護されるか。


Bの背信行為によりAの意思に反した虚偽の外形が作出され,これをCが信
頼した以上,Cを保護すべきである。

AにはB名義の仮登記の限度で帰責性が認められる一方、Cが信用したのは,
Bにより作出されたB名義の本登記という外形である。Aの帰責性を超える部分
については,AC間の利益調整を図るため110条も類推適用する必要がある。

従って,110条及び94条2項の類推適用により,第三者Cを保護すべきである。
そして,虚偽の外形(B名義の本登記)に対するAの帰責性は弱いから,
第三者Cの保護要件として,善意のほか無過失を要求すべきである
(判例も,意思外形非対応型では,無過失必要説)。