上智大学ときわめて対照的なのが、中央大学法学部である。
この大学ほど、ある意味で「悲惨な」大学はほかにあるまい。
大多数の大学生が、授業やサークル、デートにコンパと遊び
まわっている最中に、司法試験の勉強「だけ」をシコシコと
4年間も続け、それでも合格できずに、何年も浪人生活を送
っているものも多いと聞く。
いったい、司法試験のどこが凄いというのか? 法学部関係者
以外には全く興味をもたれていないこの「最難関国家資格」は、
はたして貴重な大学4年間を費やす価値があるというのか?
中央大学法学部の学生のプライドのよりどころは、司法試験の
合格者数と合格率だけである。
そもそも、弁護士など、社会的にはたいしたニーズもなく、
だいいち、「訴訟沙汰」になったというだけで、企業イメージは
奈落の底に落ちる。
そういった事態を避けるために、普通の優良企業は、裁判以外の、
「示談」という方法で長年問題の解決をはかってきたのである。
それに、追い討ちをかけるのが、近年の司法試験合格者の
就職難である。
司法試験合格者の3割から4割が、法律事務所に就職できないと
いわれ、このことは、社会が弁護士を、
(法学部関係者が考えているほどには)必要としていないことを
証明している。