【アマゾン次郎レビュー・ベストセレクション】 

原田 大樹「演習 行政法」

何を演習するのか―予備試験の勝ちを象徴する劣化本

まずお断りしますが、わたしは出版社&著者との利害関係ゼロの第三者です。中立で書籍だけの
評価で書いています。

★結論から言うと、この程度の教師と教材しかない法科大学院であれば、予備試験に殺到するは
ずという感想を持ちました。こんな、テクニックだけの先生が教えている法科大学院は、行為無
価値であり結果無価値。 予備校で受験勉強をしたほうが、カネも時間もはるかにましというこ
とになるでしょう。

★それはなぜかといいますと、この演習書は「能力の高い実務家を育成する」という目的では書
かれておらず、司法試験に合格する答案を書く。それだけの目標で書かれている-しかも結果は失敗
-だからです。ところが、この著者は司法試験に合格して研修所へ行った実務教育を受けた人ではあ
りません。これは原理的な矛盾では?

★なんのために法科大学院があるのか?スタート時には、司法改革について、法曹会館でいろんな
催しがありました。そのとき登壇した研修所の幹部は、そもそも研修所の「前期修習の前倒し」を
法科大学院が担うはずだと断言していた。そして、司法研修所の修習は不要だということをいう大学
の先生もいた。なぜなら、法科大学院が完全に司法研修所を代替できるからだということでした。
そのとき、とくに槍玉にあがったのが、司法試験予備校の教育でした。「金太郎飴」とか、めちゃ
くちゃにいう大学の先生多数。この本は、その金太郎飴です。なんのこっちゃ、予備校を批判して
おきながら、予備校本もどきを出すとはね。