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ダンジョンマスター Lv.32 [転載禁止]©2ch.net
レス数が1000を超えています。これ以上書き込みはできません。
0001NAME OVER
垢版 |
2015/09/16(水) 21:24:21.21ID:???
────┬─────┬────┐
   ..  .│       .│..   .  │
────┴──┬──┴─┬──┤
 .   .   . PREPARE   │    │
────┬──T.O...──┬┴──┤
   ..  .│   D I E  . │ .. .. .│ 〃"~~゚^。
────┴──┬───┴┬──┤ ;:_ ゚Д゚ ,; <キュイー
      .     │        │    │ `~|i iji||
───────┴────┴──┘ ノ'v'n人

なぜ洞窟に潜るのか? それはそこに洞窟があるからだ。
ダンジョンマスターは機種の垣根を越える自由なゲームです。

ダンジョンマスター,同2(スカルキープ),カオスの逆襲,
セロンズクエスト,ネクサスなどについて、機種の別を問わず
語り合うスレッドです。
荒らしは放置で。

【お知らせ】
RTC、DSB、JAVA等のエミュレーターの話題、自作シナリオの製作、攻略、感想に関する話題は板のローカルルール違反になります。
したらばの専用板または2ちゃんの同人ゲーム板でお願いします。
ダンジョンマスター@したらば http://jbbs.livedoor.jp/game/36152/
【RTC・JAVA・DSB】ダンジョンマスター自作総合(同人ゲーム板)
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/gameama/1423898795/l50

前スレ
ダンジョンマスター Lv.31
http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/retro/1423977931/

過去スレ・関連リンク集 (ダンジョンマスター@したらば リンク集スレ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/36152/1171810919/l50
0952NAME OVER
垢版 |
2018/05/03(木) 23:48:02.37ID:YaApNGbD0
ネクサスは日本だけ販売された異色のダンジョンマスターでエミュでやったが
決してクソゲーじゃないよ
キリングフィールドみたいな3DでSTRとDEXをドーピングして戦うんだが
クリーチャーがガードするし、手裏剣強いし、前詠唱した呪文を!で再表示できるし
拾うの速いし、隠し通路多いし(アイテムで死者と会話出来るあったな) 
ほんと隠れた名作やね
0954NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 01:04:38.58ID:nIwFJ0Wd0
>>953
何か言ったか知的障害者
0955NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 01:17:15.31ID:J9xgJlEE0
禁止事項
◇スレ違いなハードやソフトの話題をくり返す行為や、議論を妨害する行為
◇住人・趣向・メーカー・ハード・ソフト等を貶める下品な表現
◇削除依頼者や規制対象者の、地名やリモートホスト等の晒し・騙り
◇メーカー非公認のエミュレータ、ゲームの改造、法に触れるもの等の話題
0956NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 01:28:39.06ID:xxrKTvRT0
>>954
「この板はRTC禁止だから」と言っておきながら、
同じく板違いのエミュやらサターンやらを堂々と語るお前の方が知的障害者なんだよなぁ
0957NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 01:36:50.90ID:nIwFJ0Wd0
>>956
うるさい被差部落民、顔真っ赤だぞw
0958NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 01:42:24.32ID:J9xgJlEE0
サターン版の話題を繰り返すのは確かにな…
かと言って32Bit板に単独スレ立てて持つかっつーとアレだが。

つーか、エミュどころか新スレの方で堂々とROMサイト貼っているが…
いやまあ、>>1のエンサイクロペディアもそうだと言われりゃその通りなんだがね。

ちなみに今の5chは鯖がアメリカにあり、しかもゲーム自体がアメリカの物である故に
ROMサイトへのリンクはここの管理者が非親告罪の著作権法違反に問われる。
あっちの警察やら管理者やら権利者が訴えりゃ、相互条約を結んでいる日本は
リンク貼った奴を刑事と民事の対象に出来る。
この辺、最近話題の漫画村とは事情が違う。

つまり完全アウトだ、本人はやらんだろうから誰かが削除依頼を出すべきだろう。
0959NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 01:57:59.79ID:xxrKTvRT0
こいつは荒す事自体が目的だから何を言っても無駄よ
「RTCは板違い」とか抜かすからエミュやサターンも板違いだと指摘した結果のレスが>>954だし
したらばの方にまで出張って荒してるんだから病気だよ
したらばの管理人、もう見てないのかな・・・・
0960NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 01:59:39.14ID:nIwFJ0Wd0
久しぶりにワロタワロタ

お前訳知り顔の英語全然できない奴だろw

頼む削除依頼だしてくれ、お前がな!!
0961NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 06:13:51.53ID:6obmNeAUd
>>944が本音だわな
炙り出して煽って遊んでいるだけ
真っ先に>>935でRTCの話題を出してきたのは自分だし
しかも、>>935を読んだら、したらばを荒らしているのも自分だと白状したようなもんだ
エミュレータ関連のレスをずらずらと書き込んでたから自分の考えをまとめる能力はそこそこあるんだよな
でも、性格が破綻してる
0962NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 06:47:54.68ID:WO08mGq20
しかし>>941で呪文を取得式にしてる所って書いてるのはどういうことなんだろうな?
なんかかんや言いながらしれっとカスタムダンジョンを作ってるってことか?
0963NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 06:49:41.53ID:xxrKTvRT0
>自分の考えをまとめる能力はそこそこあるんだよな
無い、皆無だよ
もしも自分の考えをまとめる能力が少しでもあるならば、
「板違いのRTCの話題を禁止するくせに、自分は板違いのエミュの話題を延々と語る」
↑この矛盾を指摘されてもそこそこの言い訳が出来るはず
でも実際は>>954>>957
言い訳どころか屁理屈を並べることすら出来ずに根拠の無いレッテル貼りで個人攻撃にすりかえるしか出来ない
ただの病的な荒しだよ
0964NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 08:19:34.63ID:D5vnTUyA0
ゴールデンウィークに何をやっているのか
世の中には代償の法則というのが合って
他人に良いことをすれば自分に良いことが返ってきて
他人に悪いことをすれば自分に悪いことが返ってくる
たとえそれが誰かもわからない匿名の掲示板であろうと
0965NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 09:57:26.32ID:HL+vRwkT0
RTCって打たないで。
RTCでしょ。
英数字を全角で打つ奴って何か苦手。
仕事が出来ない奴に多いけど......
あと、カナ文字を半角で打つ奴は、これを上回るバカ。
0966NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 11:13:50.52ID:nIwFJ0Wd0
>>958

久しぶりに大笑いした。どうもありがとうございました。
で英語が全く出来ない君はどうするのだ???
0967NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 11:19:00.92ID:6obmNeAUd
>>935の『100倍返し』も気持ち悪いな
全角数字と半角数字の混合なんてまともじゃない
0968NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 11:22:35.48ID:nIwFJ0WdH
>>967
ボクちゃん朝の6時から待ってたのか涙ふけや、顔まだ真っ赤だよ
0969NAME OVER
垢版 |
2018/05/04(金) 12:55:32.00ID:nIwFJ0Wd0
>>967

          ______
         /___      \    _____   思った通り
        ( (  ))  ̄ \   \. /     \  小っさい脳みそだお
     / ̄ ̄ ̄ ̄\ .  \  /           \
     /;;::       ::;ヽ    / ノ     ー     \
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   .| (●)  (●)      |
                  \ (__人__)      /
        __         / ` ⌒´       \
     __/_;;;::ヽ___ .   |              ヽ
    |;;:: ィ●ァ  ィ●ァ::;;|    . |           |   |
    |;;::        ::;;|  .  |          |   |
    |;;::   c{ っ  ::;;|    |          |   |
     |;;::  __  ::;;;|
     ヽ;;::  ー  ::;;/
      \;;::  ::;;/
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        |;;::  ::;;|
 / ̄ ̄ ̄      ̄ ̄ ̄\
 |;;::     >>○○     ::;;|
 |;;::              ::;;|
0971NAME OVER
垢版 |
2018/05/09(水) 17:38:25.86ID:QPYf7sSx0
大きな聖堂の鐘が時を告げた。セロンは星図から目を離し、溜息をついた。
もう5時。大魔導士グレイロードはまだ、実験室から出てくる気配がない。
師が飼っているワタリガラスのファルクラムが大きな翼をはばたけせ、
セロンの前に止まった。
0972NAME OVER
垢版 |
2018/05/11(金) 17:05:14.64ID:VUzedyon0
「ヤッタゾ、デキダゾ!、ヤッタゾ、デキダゾ!」
グレイロードが問題を解決させた時や、実験を成功させた時に決まって発する言葉を
ファルクラムはそっくりに真似てみせた。
「デキタゾ、ヤッタヤッタ!」
「それはおめでとうございます。ならば、あの厚い樫の扉を通り抜けて、私の故郷で
あるビボルグの賢女の元へ、ヘナロープを受け取りに行かないといけないと、
先生にお伝えできませんか」
セロンがカラス伝えたが、それを一向に解する事はなかった。
「ヤッタ、ヤッター!」
セロンは再び溜息をつくと星図にもどった。
0973NAME OVER
垢版 |
2018/05/11(金) 19:03:05.03ID:Dbe91z6ea
律儀にトロル全滅させて進めると
以降は確実に武器落とさなくなるな
石の棍棒一度も見たこと無い
0974NAME OVER
垢版 |
2018/05/11(金) 23:18:44.03ID:/4bGH/lu0
1 グループだけ残して倒したけど石の棍棒出たよ
食料貯めすぎじゃないの?
0975NAME OVER
垢版 |
2018/05/12(土) 13:23:30.35ID:kunZGbTi0
六時の鐘がなった。セロンは道具を置いて目をこすると決心して立ち上げり、
師の秘密の実験室の方へ歩いていった。
石の床につま先立てて、音をたてないように注意しながら扉の前まで来ると、
息を呑んで扉を叩いた。
0976NAME OVER
垢版 |
2018/05/13(日) 14:54:32.41ID:k3Gu8IRE0
「先生、私もう行かなければなりません」
返事がない。セロンは戸に耳を押し付けて中の様子を窺った。ガラスの触れ合う音。
火花が弾ける音。煙が噴き出す音。すると扉下からマナの臭いが漂い出してきた。
セロンは思わず、それを深く吸い込んだ。グレイロードは重要な実験に没頭している
のであろう。
師は3日前の満月の晩から、部屋の閉じこもりっぱなしだった。
「先生」
セロンは再び声をかけた。
0978dm6
垢版 |
2018/05/14(月) 06:20:18.10ID:b2TJl7dA0
つぶやきのような、ため息のような声が、セロンの耳に入った。それは、ドラゴン の声のようでもあり、捕えられ縛り上げられた悪魔が発する恨みの声のようでもあった。
そしてようやく、グレイロードの声が聞えた。「ちゃんと聞いておる、セロン。とうしてお前はそう、気が短いんだ。答える間というものがあるだろうが」 「すみません。でも……」
戸が開き、セロンはそれに押されるように後ずさった。ファルクラムは、待っていたかのように開いた戸の隙間から実験室の中に飛んで入った。
セロンもこの禁断の部屋の中を見逃すまいと、このチャンスに目を凝らしたが、見えるのは影だけであった。いつになったら、この部屋で働くことができるのだろうかと、セロンは思った。
偉大なる大魔道士の秘密の力を学べるのは、いつのことなのだろうか。「いや、お前が謝ることはない。お前は何も悪くはないのだからな。謝るのはわしのほうだ。つい短気を起こしてしまった」
実験室の奥の暗闇から、グレイロードが姿を現わした。背の高い、灰色のローブを まとったその姿に、セロンは改めて敬愛と畏敬の気持ちで胸を熱くした。この人こそ、
多くの村の若者の中から自分を選び出し、弟子に迎え、魔法と物理の宇宙の神秘を教え、ゆくゆくはあらゆる術を使いこなす大魔道士に育て上げてくれると約束してくれた人なのだ。
「お邪魔する気はなかったんです。ただ、遅くなると……」「そう気にするなと言っただろうが。わしとて、若かりし頃の気の焦りは、まだ忘れちゃおらん。お前はその若い活力を、
私に仕えることでずいぶん犠牲にしてきておるしの。ビボルグへ急ぐ気持ちに水を差すようなことはせんよ。ベイラのような美しい娘がわしを待っているとしたら、わしとて落着いてはおられん」
そう言って、グレイロードは天井を見つめ、セロンがいつも見慣れた夢見るような 表情を満面に浮かべた。アナイアス山の地中深く、溶岩と水晶だけのこのダンジョンで、
誰とも会わずに研究に没頭する先生は、孤独を感じないのだろうか。そう思うことが、セロンにはよくあった。たとえ、ここが氷河を溶かし、その中から小人や妖精や人間やハイロードまでも
蘇らせた伝説のパワージェム(命の源)の在処だったとしてもだ。 「さてと、出発の時間じゃな。土産のヘナロープを楽しみにしているぞ。ささ、マントを着なさい」
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垢版 |
2018/05/14(月) 06:28:54.36ID:b2TJl7dA0
師は、一瞬己を取り巻いた妄想を払い除けるように声をあげると、セロンを促した。 グレイロードが手を振ると、鉄とエメラルドの細工で飾られた木の戸棚の扉が開き、 そのなかで、
セロンの液化銀のマントが輝いた。 マントはひとりでに浮び上がり、部屋を横切ってセロンの体を包むと、薄暗い部屋の中でぼんやりと光を放った。グレイロードは、親が子供にそうしてやるように、
マントの衿首を整え、セロンの頭にやさしくフードをかぶせてやった。セロンはその間、かすかに触れた師の手から伝わる、強いマナの刺激を体中に感じていた。
rわが友の旅に調和あれ、師は輝く手を振り上げ、セロンの幸運を祈った。「常に均衡を忘れません。ハイロード様」 セロンはひざまづき、師の送る言葉に答えた。「それはやめろと言ったろうが。わしはお前の師匠ではあっても、
『ハイロード様』などと呼ばれるような、大それた者ではないのだ」 師の言葉には、少々皮肉がまじっていた。「我々がお前たちよりも偉いなどということは、ひとつもない。なかには、自分は偉いのだと、
お前たちに信じ込ませているような輩もおるようじゃがな。我等はみな、他のあらゆる種類の人間たちとともに、同じ創造主の手によって氷河の中に置かれ、眠っていたではないか」「わかりました、先生」 素直にうなづいてみせたものの、
セロンはやはり、他のビボルグ人と同じくグレイ ロードは自分たちとはまったく次元の違う存在であるという考えは捨てることができなかった。ハイロードが神であることも、なかでもグレイロードは、最も偉大な力を持つことも、
ビボルグ人にとっては常識であった。 一度ならず、グレイロードは身を犠牲にしながらも、その近親者であるウィスデインによって引き起こされた戦争や不和から、人民を救っている。今彼は、他のハイロードたちのように天界での隠居生活も、
また、この世界の王になってくれとのすべての人民の熱望をも拒絶して、自らがこしらえたダンジョンの底で、生命の起源 と目的における様々な疑問に答えを出そうと研究を重ねている。それはすべて、人民のための調和と均衡のある理想の世界を築こうという、
崇高な夢のためなのである。
0980dm8
垢版 |
2018/05/14(月) 06:36:42.62ID:b2TJl7dA0
2人は、ダンジョンとビボルグ程度の小旅行によく利用される水晶球のところまで歩いてきた。セロンは球の中に立ち、マントの下で腕を交差させた。「調和を忘れるな」「均衡を保ちます、先生」
セロンの前からダンジョンの石の壁が消え、水晶の輝きの向うに影が広がっていった。道具箱や本棚の上にも、また、セロンとグレイロードが盃を交わし、チェスを指し、古代の哲学を語ったテーブルの上にも影が降りていった。
グレイロードの上にも影は降りた。しかし、彼の目は光っていた。先生は泣いていらっしゃるのだろうか……。セロンは一瞬気になった。そのときだった。師は、堰を切ったように、両の手を振りあげて叫んだのである。
「見つけたのじゃよ!」 セロンは息を呑んだ。「パワージェムを、ですか」 「さよう。思っていたとおり、炎の山の中にあったのじゃよ」 水晶の輝きが増し、セロンの目をくらませた。目を閉じなければいけないところだが、彼は目を凝らしていた。
「やりましたね、先生」 グレイロードの顔が、セロンの目前を漂っていった。「そうとも。お前が帰ったときには、いままでに見たこともないような、すばらしい 夜明けを見せてやるぞ」 セロンが目を細めて水晶球の外を必死に眺めていると、
ファイアースタッフの入ったガラスケースがゆっくりと開き、グレイロードが大きな音とともに、ファイアースタッフを取り出すのが見えた。セロンが水晶球の内側を激し叩いた。「いけません、先生。私のいない間にパワージェムをお取りになるおつもりですか。
ひとりでおやりになるために、私を遣いに出したんですね。先生、私にも手伝わせてください。お願いです。無茶をなさってはいけません!」 いっそう輝きを増す水晶球の中で、セロンは泣き叫んだ。月が、太陽が、星が、何 度もセロンの周りをぐるぐると回りだした。
強い光のパルスは、セロンの目を突いた。それは金色、いや、銀色、違う、ただの白でもない、生き物の魂のように、ハイロードの心のように、それらすべての先祖を生み育てた氷河のように、純白の白 熱光であった。セロンはひざをつき、目を覆った。
すると(何かが、彼の休を包み込んだ。マナだ。これまでに経験したことのない強力なマナだ。セロンは、そのあまりのショックの強 さに水晶球の中に倒れ込んでしまった。
0981dm9
垢版 |
2018/05/14(月) 11:13:19.02ID:b2TJl7dA0
魔法の樫の大木の裂け目の中で目を覚ましたセロンは、驚いて飛び起きた。旅の終点に無事たどり着いたのだ。
眉間にしわをよせて、彼はゆっくりと立ち上がった、何かひっかかるものを感じてならない。出発の直前、実験室で起きた何かよくない何かだ。セロンは天を仰いだが何も思い出せずそのきのことすら記憶にない。
困惑とともに空から出ると、まばゆいばかり光かった。 それは、セロンの婚約者ベイラの仕業だった 乗り出して、父親のりんご園から取ってきた 揺すっていたのだ。
0982dm10
垢版 |
2018/05/14(月) 11:20:58.68ID:b2TJl7dA0
「調和はいかが、セロン-」 歌うように言うと、ベイラは枝を捨て、セロンにかわいらしい柔らかな手をさしのべた。「1日中待ってたんだから」 待つ。何かを待つ。師に自分の帰りを待てと頼んだ。でも、何のために。
セロンはアゴをかいた。だが、何も思い浮かばなかった。「セロン。降ろしてってば」 ベイラの声に、セロンはハッとして思い悩むのをやめた。いずれ思い出すだろう。 水晶球の中で夢を見ていたのかもしれない。
前にもそんなことがあったから。 セロンはベイラを見上げると、やさしく微笑んで言った。「今マントを脱ぐから、待ってくれ。これに触ると、火傷をするからね」 「じゃあ急いでね。まだキスもしてくれてないんだから」
彼はマントを脱いで近くの木の枝に掛けると、ベイラに手をさしのべた。彼女は本当に美しかった。抱きしめると、りんごとバラの香りがする。髪の毛は、うさぎの 綿毛のように柔らかい。
グレイロードの許可がおりるまで結婚を待たなければならないのは、セロンにはこの上もなく辛いことだった。大魔道土になるまでの辛抱だ。しかし、その道のりのなんと長いことか。「ああ、ベイラ」 セロンは、ベイラの髪を見つめてため息をもらした。
「一晩でいいから、君と一緒にいたいよ。でも、この旅は先生のお遣いだから」 それを聞いてベイラは、ちょっと眉をしかめた。 「あら、あなた、お父様の家に泊まるようにとグレイロード様がお言いつけになったって、言ってたじゃないの」
「そうだっけ」「そうよ。満月の晩に。忘れちゃったの」 やっぱり、何かがおかしい“。セロンは、こんな大切なことまで忘れてしまったのだろう、他にも忘れたことがあるはずだ。
0983dm11
垢版 |
2018/05/14(月) 11:41:47.46ID:b2TJl7dA0
「本当だってば。お父様に聞いてごらんなさいよ。あなたは、うちに泊まることになっているのよ。ちゃんと用意もできているわ。あれをしまっておける、安全な場所も作ったわ- 咳みつかれるとでも思ったのか、
ベイラは、セロンのマントを指さすと、すぐに手を引っ込めた。ベイラが、このマントを怖がっていることをセロンは十分に承知していた。「君とお父上と一緒に過ごせるなんて、これ以上のことはないよ」 セロンは困惑を隠そうとして、
明かるくふるまった。ベイラは、この言葉のご褒美として、もう一度セロンにキスをした。「行きましょ」ベイラは両手で彼の手を握って引っ張った。「今晩はお父様のご招待よ。賢女様も、グレイロード様のヘナロープを
持ってきてくれているわ。それから、川のほとりで2人きりでお楽しみ 「そうまで言われちゃ、断れないね」 セロンはこのとき初めて、もう自分はただの男ではないということに気が付いた。自分は一人前の男であり、グレイロードの
名誉ある愛弟子であり、社会に貢献できる人間なのだと。よく自分の自慢をしていた母の言葉を思い出した。「まともな娘なら、放ってはおかない上玉さ」 しかし、今セロンが欲しいのは、ベイラただ一人だった。
その晩は、鹿肉とベイラの父親特製のビールという、豪華な食事を楽しんだ。そしてセロンは、ベッドの掛け金にマントを掛けて、深い眠りについた。その顔には、満ち足りた微笑みが浮かんでいた。 彼はその夜、すばらしい夢を見た。
ベイラとの結婚生活、グレイロードは山腹の小さな家を2人にプレゼントして、羊がたわむれ、美しい滝から水が流れ落ちる池まであった。グレイロードとって、これくらいのことは朝飯前だ。そしてに彼らの秘密を伝授する。
もちろん、伝授すると言っても遊び程度にすぎない。ハイロードの縁者と大魔道士の グレイロードだけが持つ秘密というものもあるからだ。
0985dm12
垢版 |
2018/05/14(月) 12:08:50.93ID:b2TJl7dA0
秘密。セロンは眠りの中で自問した。ダンジョンを出発するときに、何があった。 何かの秘密だ。謎を解く鍵だ。そこで彼の夢は、輪郭を失い、突如として悪夢に転落した。全身を貫く、この世の ものとも思われぬ苦痛。
体が真ふたつに裂けるようだ。自分の悲鳴が耳の中で反響している。もだえ苦しむ肢体を、肉を、心臓を鋭い炎が貫いた。髪は燃え上がり、骨はけいれんした。これが死ぬということなのか。セロンは、まさに死を実感した。
気が付くと、セロンは焼けただれた雑木林の丘の上に立っていた。廻りの木々は、みなくすぶる炭になっていた。縮みあがり、だらりと垂れ下がった樹皮には、真っ赤なりんごや、みずみずしい、桃が実っていた頃の面影はない。
空は炎で真っ赤に染り、立ち込める煙はセロンの喉を刺した。村は廃虚と化していた。兵士が子供たちを追い掛け回している。村人の叫び声が、山々にこだましていた。そのとき、耳をつんざく雷のような音がとどろいた。
セロンは思わず目を固く閉じた。再び目を開けると、セロンの足はすでに地上を離れ、駆け抜ける軍隊を眼下に見下ろしていた。戦争、飢餓、疫病、どこを見渡しても悲劇と苦難に打ちのめされた人々 の姿が目に入った。
たまらなくなって、セロンは悪夢の中を駆け抜けようとした。焼けた木々の間を縫って、砲弾に掘り返された地面をかすめて、彼は飛び続けた。天が裂け、凍りつくような雨がセロンを打ちつけた。
強い風が、セロンを羽毛のようにもてあそんだ。マントの前を深く重ね合わせ、セロンは叫んだ。「先生、いけません。ひとりでなさってはいけません。やめてください、先生。私の帰りを待ってください」
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垢版 |
2018/05/14(月) 12:22:30.81ID:b2TJl7dA0
セロンはダンジョンの扉の前に立っていた。 「誰だ、私の夢に語りかけるのは」。セロンは振り返った。 『夢ではない』 「姿を見せろ」 『それはできぬ』 「見せろと言っているんだ」 マントの中から手を差し出し、
セロンは魔法の構えを見せた、そして、拳に魔力を集中させると視覚の呪文を唱えた。 すると一瞬、扉の前に光の球が現われたかと思うと、すっと小さくなった。セロンは視覚の呪文を繰り返すと、光の球は前よりも明るくなった。
これは、グレイロードの水晶球だ。見る間に、その球の中に白いぽんやりとした影が立ち上がった。 「セロン」 影はセロンの名を呼んだ。セロンは、3歩後ずさった。「先生、ですか」 「セロン」 再び声がすると球の光が増し、
その中にグレイロードの顔が現われた。セロンは思わず走り寄り、球に抱きついた。
0987dm14
垢版 |
2018/05/14(月) 12:53:35.61ID:b2TJl7dA0
「先生、先生、いったい何が起こったのですか。これは夢なんでしょ。私はちょっと 前に眠りについて、そしたら……」 「そうじゃない」グレイロードはセロンを制した。おかしなことにグレイロードは、いつものグレイではなく、
白い着物をまとっていた。こころなしか顔が険しく見えるのは、そのためだろうか。それにしても、きつく結ばれた師の口許はまるで怒っているときのようだ。しかも、目は鉄のように無表情だ。「よく聞け。これは現実だ」
「夢じゃないって、なら、何だと、何だとおっしゃるんですか」 セロンはすっかり気が動転Lていた。 「落着け。ヒステリーを起こしている時間などないのだ」 グレイロードの声は厳しかった。 「すみません。先生」
セロンは透明な自分の体を見下ろした。「先生、これは何の魔法です。私たちはふたりとも、幽霊になってしまったのですか」 「パワージェムを取り戻そうとしたんじゃよ。愚かなことに、パワージェムを発見した喜びのあまり、
ビボルグの賢女のところヘヘナロープを取りに行くお前に、そのことを話してしまった」 「そうだ。思い出した。これだったんだ。これがどうしても……」 「シッ、黙って聞きなさい。そこでわしは、お前の記憶を消したのだ。
忠誠心のあまり、お前がわしと共に残ると言い張らないようにな。パワージェムの奪回は、命がけの作業だからな」「呪文を唱え始めたときだ。わしは唱え方を間違ってしまった、呪文のエネルギーを注いだとたんに、宇宙爆発し、
一年間、視力を失っていた」 「1年間」セロンは大声をあげた。 「私は1年間も眠っていたというのですか」
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2018/05/14(月) 14:07:14.93ID:b2TJl7dA0
眠ってなどおらん、私同様ふたつに分裂したのだ。だが、お前は直接爆発の現場にいなかった為、わしのように物質世界からはじき飛ばされはしなかった。わしは今天国とも地獄ともつかない異次元に存在している。私の体は、
この物質世界では半存在の状態とでも言おうか。お前のように世界を自由にうごけなってしまったのだ。そこで、お前の出番となる 「ヤツを阻止するのだ」「ヤツって?」 セロンは、流れ出しそ引こなった涙を抑えようと、
まばたきをした。自分が一人前の男だと感じたのはつい今朝のことだったのに、それが今では小さな子供のように泣きべそをかいている。なんということだ。「カオスだ、セロン」 師は拳を握りしめ、空を見上げた。
「爆発によって、わしから分裂したんじゃよ。言いにくいことだが、それは、わしの 悪心の部分なのだ。普段は気付かないが、狂暴で抑えられない自分というものを,誰でも持っているはずだ。しかし、わしの場合それが自由を勝ち得たのだ。
そして、今は悪事のやりたい放題じゃ。ヤツは、人類の文明を破滅させ、世界を我々人類が生まれる前の氷河の時代に戻すために、まずお前を支配しようと企んでいる」 グレイロードはダンジョンを指差した。「ヤツはダンジョンを占領して、
パワージェムを捜している。ファイアースタッフは ヤツの手中に落ちたが、パワージェムを解き放つ呪文は見つかってはおらん。その手がかりは実験室にあるんだが、ヤツにはわからないはずだ。爆発後に研究を見直した結果、
正しい呪文がわかったのだからな。それを知るのは、わしひとりなのだ」 「それで、私に何をしろとおっしゃるのですか、先生」 セロンは興奮してた。 師の影がビクリと震えた。 「まず、今からわしをグレイロードと思わぬこと。
すでに、その名前は捨ててしまった。リブラスルス。わしのことをこう呼べ」 セロンは、この名前に聞き覚えがあった。ハイロードが使用する古代の魔法用語で、”秩序を回復する者”という意味だったように思う。
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2018/05/14(月) 14:07:42.26ID:b2TJl7dA0
眠ってなどおらん、私同様ふたつに分裂したのだ。だが、お前は直接爆発の現場にいなかった為、わしのように物質世界からはじき飛ばされはしなかった。わしは今天国とも地獄ともつかない異次元に存在している。私の体は、
この物質世界では半存在の状態とでも言おうか。お前のように世界を自由にうごけなってしまったのだ。そこで、お前の出番となる 「ヤツを阻止するのだ」「ヤツって?」 セロンは、流れ出しそ引こなった涙を抑えようと、
まばたきをした。自分が一人前の男だと感じたのはつい今朝のことだったのに、それが今では小さな子供のように泣きべそをかいている。なんということだ。「カオスだ、セロン」 師は拳を握りしめ、空を見上げた。
「爆発によって、わしから分裂したんじゃよ。言いにくいことだが、それは、わしの 悪心の部分なのだ。普段は気付かないが、狂暴で抑えられない自分というものを,誰でも持っているはずだ。しかし、わしの場合それが自由を勝ち得たのだ。
そして、今は悪事のやりたい放題じゃ。ヤツは、人類の文明を破滅させ、世界を我々人類が生まれる前の氷河の時代に戻すために、まずお前を支配しようと企んでいる」 グレイロードはダンジョンを指差した。「ヤツはダンジョンを占領して、
パワージェムを捜している。ファイアースタッフは ヤツの手中に落ちたが、パワージェムを解き放つ呪文は見つかってはおらん。その手がかりは実験室にあるんだが、ヤツにはわからないはずだ。爆発後に研究を見直した結果、
正しい呪文がわかったのだからな。それを知るのは、わしひとりなのだ」 「それで、私に何をしろとおっしゃるのですか、先生」 セロンは興奮してた。 師の影がビクリと震えた。 「まず、今からわしをグレイロードと思わぬこと。
すでに、その名前は捨ててしまった。リブラスルス。わしのことをこう呼べ」 セロンは、この名前に聞き覚えがあった。ハイロードが使用する古代の魔法用語で、”秩序を回復する者”という意味だったように思う。
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2018/05/14(月) 14:21:02.03ID:b2TJl7dA0
「わかしました。リブラスルス様」 セロンは頭を深々とたれた。 「忠誠を誓います」 「よろしい。これで十人力だ。お前はわしの手となり足となって、また、目となり耳 となってわしを助けるのだ。とにかく、ファイアースタッフを
取り戻さない限りわしはダンジョンの中に入ることができない。あの爆発以来、わしはこの場所にしか現われることができないのだ。このダンジョンの扉の外にだ。反対に、カオスはダンジョンから外にでることはできん。ヤツとわしは
ここに存在していながら、存在しない。お前の使命は、この場所ヘファイアースタッフを持ってくることだ」 セロンは唇をなめた。 「しかし、どうやってダンジョンに入るのですか。私にも実体がないのですよ。半存在の身です」
リブラスルスはうなづいた。「それも道理だな、セロン。そこに気付くとは、さすがは我が弟子だ。だが、お前には、わしにはとれぬ行動をとることができる。 ロードカオス、ヤツは自分をこう呼んでおるんだが、それを倒すために、
どうしても必要な行動だ。今では、ヤツがこのダンジョンの主だ。お前は、わしのためにそれを取り戻すのだ」 「ダンジョンを、ですか」 揺らめく水晶球の中の師を、セロンは目を細めて見つめた。「ファイアースタッフだ。何度言わせるのだ。
それがあれば、わしが自らダンジョンに入り、パワージェムを取り返すことができる。そして、カオスを倒してこの世界は再び秩序を取り戻し、生まれ変わるのだ」「でも……」 「これ以上ここにはおれぬ。わかったな。
あの大惨事の後多くの勇者をダンジョンに送り込んだ。あわよくば、ファイアースタッフを取り戻すかと期待してな。しかし、残念なこと 「全員……」 「いや、数百人といったところだ。一人の勇者の命で数十万の命が助ければ
大した犠牲ではなかろう。修練が足りなかったのだ、 彼らは仲たがいをし、宝を見つけては足を止めた。だから命を落としたのだ」
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2018/05/14(月) 14:33:25.00ID:b2TJl7dA0
セロンの心は凍りついた。我が師とあろう方が、こんなに恐ろしい話を事もなげに語るとは。それにしても、その顔の疲れ切ったこと。どれほどの苦痛に堪えてこられたのだろうか。多分、先生は、あまりにも重い罪の意識に堪えて
生きるために、自らの感情を断ち切ってしまわれたのだろう。「それは当然の結果です」 セロンは師に同意した。「ロードカオスは、勇者の間と呼ばれる部屋に死んだ勇者のうちの24人を吊るしたのだ」 師の顔が一層険しくなった。
「つまり、ヤツのしとめた獲物というわけだ。カオスは、その勇者たちを魔法の鏡に閉じ込めた。彼らはその中で身動きもできず、生きているとも死んでいるともつかない状態で飾られているのだ。わしに代わって戦おうとする勇者に
向けたカオスの警告という意味もあるのだ」 リブラスルスは、水晶球の中で動き回っているように見えた。「お前の高度な知識と技をもってすれば勇者の間に入り、彼らを眠りから覚ますことができる。わしも、いくらか手助けができるはずだ。
ただし、4人までだ。お前は4 人の勇者を蘇らせることができる。彼らにはお前の存在はわからぬが、お前の力と 知識を使って彼らに正しい方向を暗示し、ファイアースタッフのある場所まで導くのだ」
「どの勇者に新しい生命を与えるかは私の判断だ責任重大だ」 セロンは、力なく師に問いかけた。「彼らの生命力を利用して、自分の好みの勇者に改造することも出来るぞ、 師の話し方は、まるで物でも扱うようだった
「何ですって」 セロンは目を見開いた。 「そう、その力をお前に授けようというのだ。 自分の分身として働かせるのに都合がいいと思かもしれない、また力よりも頭の切れる者を必要とするかもしれない
好きなように作り直せばいい
0993NAME OVER
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2018/05/14(月) 22:55:26.45ID:Mr3rUYyA0
俺は正負の法則なんて絶対に信じないけど、連投野郎が病気なのはわかる
0994NAME OVER
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2018/05/14(月) 23:00:05.59ID:Mr3rUYyA0
あ、代償の法則ね
まぁどっちにしろ非科学的なものは信じないけど
0997dm18
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2018/05/15(火) 13:33:44.66ID:oXJDIeLS0
「そ、それはほとんど、神を冒とくする行為じゃありませんか」 リブラスルスは、その言葉が聞こえなかったふうを装った。 「お前は、今わしがお前にそうしているように、実体のない魂となって勇者たちを導くのだ。この世界で実際に
体を動かすのは彼らだ。彼らは、まだ、この世に籍を置いている。さあ、一刻の猶予もならん。ダンジョンに入り、救世主たちを呼び覚ませ。よく考えて選ぶのだそ。その者たちに、運命がかかっているのだからな」 「いったい、とうやって
選べというのですか。彼らは、これからどんな目に遭わされるんですか」 セロンは困惑するばかりだった。「ロードカオスは、私の実験をめちゃくちゃにしおった。わしの美しい論理の世界をねじ曲げ、危険この上ないパズルに変えてしまった。
そのうえ、わしの顔に唾を吐きおったのだ。このパズルをすべて解かないことには、目的は達せられん。彼は、様々な怪物も生み出した。ダンジョンから逃げ帰った者の話では、カオスに捕えられ怪物に改造させられた勇者もいるとのことだ。
そうだ。わしがお前を送り込もうとしているところは、まさしく地獄だ。しかし、これ以外に方法はないのだ」 突然、水晶球が砕けちった。セロンはとっさに顔を覆いながら、叫んだ。 「どうやって選ぶんです。どうしたらいいんですか!」
水晶球の破片が地面に降り注いだ。風の中から師の声が聞えてきた。『ダンジョンに入れ。眠れる勇者を見つけるのだ。その魂を覗き、その能力を確かめるのだ』 『確かめるのだぞ』
0998dm19
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2018/05/15(火) 13:37:42.36ID:oXJDIeLS0
セロンは見た。 心を扉の向うに送り、入り組んだトンネルをさまよい、勇者の館を捜し当てた。真 っ暗だ。その闇の中を、殺意と絶望が、ぼんやりと光を放って漂っている。 それは、死のオーラだ。 冷たく陰気な壁面に、
24個の鏡が掛けられていた。その中に、勇者たちが眠っている。男、女、小人、妖精、トカゲ男や犬人間のような、セロンがこれまでに見たこ ともないような生き物も交じっていた。セロンは、勇者たちのうつろな視線を感じた。
助けて。ここから出して。彼らはそう叫んでいるようだった。セロンは、妖女の前に立ち止まった。彼女はベイラに負けず劣らず美い、。しかし、 亜麻色の長い髪に包まれた肉体は強靭な戦士としての肉体だった。
肩から白いガウンが落ちそうになっている。セロンは思わず手を差し伸べ、ガラスの中の彼女の体に触れた。
0999dm20
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2018/05/15(火) 13:44:51.05ID:oXJDIeLS0
苦痛に張り裂けんばかりの悲鳴がセロンの鼓膜を突き刺したのは、そのときだった。 セロンはほら穴にいた。石が、松明が、4つの人の形をしたものが、彼の体をすり抜けて落ちていった。すべてが地面に落ちると、
それらは大きな瓦傑の山を作った。 白い髭をたくわえた老人の背中の上に、太い木の梁が倒れかかった。老人は悲鳴を 上げ、次の瞬間静かになった。エルフは、腰布を着けた大柄な若者の真上に落ちて きた。もう一人の男は、
衝撃から身を守ろうと丸くなったまま落ちてきた瓦傑に埋 もれてしまった。 「シーラ」 若い男が叫んだ。ブロードソードが彼のこめかみに当たり、彼は気を失って前に倒 れてしまった。 セロンも墜落の衝撃に備えたが、
彼は落ちることなくその場に浮かんでいた。なす すべもない、もどかしい傍観者だった。眼下に展開している眺めは、過去のものな のだ。どうやら彼は、24人の勇者たちが殺されていく様を見なければならないのだ。
なんと残酷な任務であろうか。 白髭の老人は、その衣装から予言者であることがわかった。筋骨たくましい男は、見 るからに野蛮人だ。もう一人は、どうやら盗賊らしかった。彼のベルトに巻き付け られた皮の袋がはち切れ、
大小の宝石が地面にこぼれていた。勇者の館で見た、あの美しい女性は、大丈夫だろうか。彼女の手が伸びた先には、樫の杖が横たわっていた。杖には、樫の林の番人を表わす紋章が入っている。セロンの魔法の樫の木が植わっていた林だ。
今はもう焼けただれて、何も残っていないが。 しばらくして、梁の下敷になった老人がかすかに動いた。 「シーラ」 老人は、声をふり絞った。 彼女の返事はない。セロンは息を呑んだ。が、そのとき、彼女はうめいて、目を開いた。
「ナビ」 彼女は老人に駆け寄り、梁に手をかけた。彼女の手から、血がにじみ出た。 「ハルク、アレックス、手を貸して」 ナビと呼ばれた老人は、大きく息を吸い込んだ。
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