「いよいよっすね隊長」
亜光速下の光の奔流を抜けた後、サージェント号から最後の通信が入った。
 「ようやくあいつらをプチプチ潰せるかと思うと、ワクワクしますよ」
そうだ、ワクワクする。実に。クリスマス休暇なんぞ屁でもないくらいに。
だからこそ、俺はむかついているのだ。

2222年、宇宙にまで貪欲に開発の手を伸ばした人類は、
昆虫型巨大生物に支配された惑星を発見した。
探査機はその場で撃墜。
人類は、その醜く、冷酷で、糞多く、糞ったれの虫どもを
迷うことなく、大いなる脅威、「敵」と定めた。

で、できあがったのがこの駆逐戦闘機カーネル号とサージェント号。
見積もり通りなら奴等を10回は皆殺せる、素敵なオーヴァーキラーだ。

ここまでは実に良くある話。

ところが、だ。
どこをどう調べたのか、お賢いドクターたちは糞驚くべき発見をもたらした。
あの糞虫どもが猿を人間に進化させた、造物主だというのだ。
アーメン。