Q.自分では「売れない」と思ったが、売れたマンガがあれば教えてください。

(原田氏)これ、よく耳にしますが、『ONE PIECE』でいいんですよね?

会場:
 (爆笑)。

鳥嶋氏:
 はい。『ONE PIECE』でいいです。いまを以て僕は『ONE PIECE』を3巻までしか読めません。あの画面構成はちょっと僕には理解できないものです。


Q.鳥嶋さんが担当されてヒットしたマンガに、共通点ってあると思いますか?

鳥嶋氏:
 あります。「子どもに伝わったもの」ということです。子どもに伝わってヒットしたものって、大人にも届くんですよ。でも逆はない。
 必ず前向きで明るいものが多いんですよね。子どもに「主人公は自分だ」と思わせるためには、やっぱり明解じゃないといけない。
 ヘンに陰があったり、くよくよ悩む主人公はダメなんですよね。

 考えさせられたのは、僕が現場でマンガを作っていたときに『ガンダム』が当たっていると聞き、劇場に観に行ったときのこと。
 アムロというグダグダ悩んでいる主人公を観て、「ああ、なんてアニメだ」と思ったんです。
 ですが、もうちょっと年齢が上の人にとって、「これはこれはである種の等身大なんだな」とも思ったんですね。

 ただ巧いのは、シャアという、ちゃんとしたカッコいいヤツが脇にいるんですよね。
 グダグダしているヤツだけだったら、ぜんぜんヒットにならないけど、シャアを作っているあたりに、僕はプロとしての腕を感じました。

https://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/190517a/2