第2次大戦中、ナチス・ドイツ占領下のフランスから英軍兵士が本国に向けて放ったとみられる軍用伝書バトの骨がこのほど、英南部サリー州の民家で約70年ぶりに発見された。ハトが運んだ暗号文書も見つかり、専門家が解読に着手した。

 英デーリー・メール紙などによると、ハトは民家の住人デービッド・マーティン氏(74)が暖炉の改修中に発見。頭骨のほか、小さな赤いカプセルが付いた足の骨、カプセルからはアルファベットで暗号化された通信文の紙が見つかった。

 暗号研究の専門家によれば、このカプセルは破壊工作に従事した特殊部隊が使用したタイプで、伝書バトはアルミニウム製の足輪から1940年生まれと分かった。

 通信文の宛先が爆撃作戦の司令部だったことから空爆を要請した可能性や、民家と同じサリー州にあった司令部で計画が練られていたノルマンディー上陸作戦(44年)に関係している可能性が指摘されている。

 同紙によれば、英軍は大戦中に約25万羽の伝書バトを利用。敵国への情報漏れ防止に有効だったため、ハトを捕食するハヤブサやタカの駆除部隊も編成したとされる。(共同)

 [2012年11月4日8時2分]

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