残念な料理
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(´・ω・`)新しく来た料理チーフの作った料理が残念な料理やがな
しかし、それを指摘すると自分が作り直さなければならないはめになるがな
だからみんなが残念だと思っていても誰も口に出さないがな
(´・ω・`)そして残念な料理がそのまま晩餐会に出されて悲惨な結果となるがな ツバサ「…オムレツ?」
英玲奈「そう、料理の基本とも言われるオムレツだ」
ツバサ「ゆで卵のほうが簡単じゃない?」
あんじゅ「ただゆでるだけじゃ料理とは呼べないわよ」
ツバサ「じゃ、じゃあ目玉焼き?」
英玲奈「目玉焼きはそれだけで幾つかのバリエーションが存在し、どれが基本という決まりは無い」
あんじゅ「そーね。片面焼きがベストだと思ってる人は両面焼きを認めないし、逆も同じ」
英玲奈「よって、より明確な正解が存在し料理の技術が必要なオムレツこそ基本にふさわしい」
あんじゅ「ツバサも女子力上げといたほうがいいわよ。もうすぐ高校生活も終わるんだから」
ツバサ「まるで私がお料理できないみたいな言い草ね?」
あんじゅ「できるの?」
英玲奈「できるのか?」
ツバサ「うぐっ…で、できるわよ。オムレツを作ればいいんでしょ。それくらい…」
英玲奈「どこへ行く?」
ツバサ「準備よ。ついて来ちゃダメだからね!」
あんじゅ「大丈夫かしら…」 ツバサ(二人とも私をバカにして…こうなったら奥の手よ!)
【神田】
凛「あっ、キラキラ先輩!」
ツバサ「キラキラネームみたいに言わないで。綺羅よ。綺羅ツバサ」
凛「ツバサ先輩、何してるんですかー?」
ツバサ「まだ何もできてないけど…」
凛「にゃ?」
ツバサ「い、いえ。それよりあなた…星野さん?」
凛「星空にゃ」
ツバサ「星空凛さん。あなた、お料理が得意だったりしない?」
凛「お料理…えーと、ゆで卵なら作れます!」
ツバサ「それくらい私もできるわよ」
凛「でも、上手に半熟ゆで卵を作るの難しくないですかー?」
ツバサ「えっ。半熟?」
凛「はい。サンドイッチとかならともかく、やっぱりラーメンには半熟ゆで卵のほうがいいじゃないですか」
ツバサ「ラーメン?」 凛「凛はラーメンが大好きだから、ゆで卵は絶対半熟派なんです♪」
ツバサ「そう…ラーメンはよく作るの?」
凛「ラーメンだけじゃなく、冷し中華や焼きそば、うどん、そば、ちゃんぽんもできますよー♪」
ツバサ「そんなに!?」
凛「じゃあ、凛は真姫ちゃんちに行く途中だからこれで」
ツバサ「!…待って、星井さん」
凛「星空にゃ><」
【西木野邸】
凛「こ、こんにちはー」
ツバサ「お邪魔します」
真姫「…どうしてあなたがここにいるんですか?」
ツバサ「今日は“ライバルが手を結ぶ日”よ」
真姫「はあ」
凛「来る途中で偶然会って、ついて来ちゃったにゃ」
ツバサ「ちょっとキッチンを借りてもいいかしら?」 真姫「お腹空いてるなら食べ物くらいありますけど…」
凛「あっ、穂むらのおまんじゅう!いただきまーす♪」
真姫「凛には言ってない」チョップ
凛「えー!?><」
真姫「凛はいつも食べてるでしょ。お客様が優先」
凛「凛だってお客様なのにー」ブー
真姫「人の家にいつも勝手に遊びに来る人はお客様って言わない」
ツバサ「ふふふ。あなたたちって本当に仲がいいのね」
凛「うん!真姫ちゃんと凛は超仲良し♪」
真姫「ヴェ、別にそんなんじゃ…お茶いれてきます」
ツバサ「待って。お茶もいいけどキッチンを借りたいのよ。お腹が空いてるわけじゃなくて」
真姫「何か作りたいってこと?」
ツバサ「作りたいというか、作れるようにしたいというか…」ゴニョゴニョ
真姫「はあ?」 【キッチン】
ツバサ「す、すごい…どこのリストランテっていうくらいの厨房ね」
真姫「そんなことないですけど…私はほとんど使わないし」
ツバサ「えーと…家では誰がお料理してるの?」
真姫「料理は専門家に任せます。私は食べるだけ」
凛「真姫ちゃんは全然お料理できないもんにゃ」
真姫「できないわけじゃなくて、する必要がないだけよ」
ツバサ「星空さんのほうがお料理は得意ってこと?」
真姫「まさか。凛ってカップラーメンくらいしか作れないじゃない」
凛「そんなことないよー!今は野菜炒めや炒飯とかいろいろできるようになったもん!」
ツバサ「炒飯って、冷凍食品の?」
凛「ちがうよー!><」
ツバサ「まあ、それはどっちでもいいわ。オムレツを作るとしたら、どっちが上手なの?」
真姫「オムレツ?」
凛「凛は作ったことないにゃ」
真姫「私も無いわね」 ツバサ「えぇ!?そ、そんな…オムレツはお料理の基本だって聞いたけど」
真姫「さっきも言ったけど、私はそもそも料理をする必要が無かったし」
凛「ラーメンにはオムレツよりゆで卵だし、冷し中華も薄焼き卵だからにゃ」
ツバサ「つまり二人ともオムレツは作れないのね…」ガクッ
凛「キッチンを借りたいって言ってたし、ラキ先輩が作るんじゃないんですかー?」
ツバサ「アイカツオンパレードみたいに言わないで。綺羅よ。綺羅ツバサ」
真姫「アイカツでもハムカツでもいいけど、道具や食材は自由に使ってください」
ツバサ「ハムカツじゃなくてオムレツ…っていうか、道具や食材より私が欲しいのは技術なんだけど…」
凛「もしかして…ツバサ先輩って、お料理できない人?」
ツバサ「あ、あなたたちだって作ったことないって言ってたじゃない!」
真姫「まあ…オムレツは無いですね」
凛「どうしてオムレツなんですかー?」
ツバサ「そ、それは…いえ、そんなことより!」 『Алло, слушаю вас』
凛「あ、あれっ?間違えちゃったにゃ><」
真姫「え?そんなはずないわよ。貸して!」
『Ай…ごめんなさい。お姉ちゃんに御用ですか?』
真姫「亜里沙ちゃん?…エリーの携帯よね?」
『はい、亜里沙です。今お姉ちゃん手が喋らなくて…』
凛「手が喋るって、手話?」
真姫「たぶん“手が離せない”って言いたいのよ」
凛「まあいいや。亜里沙ちゃんはオムレツ作れる!?」
『омлет?』
ツバサ「あ、あなたが料理の先生なの?」
亜里沙「よろしくお願いします♪」
真姫「エリーを呼ぼうと思ったんだけどね」
凛「オムレツが作れるならこの際誰でもいいにゃ」
ツバサ(中学生に教わることになるなんて…)トホホ 亜里沙「タマゴを割ったらテキトウにかき混ぜて、あとは焼くだけ」
ツバサ「待って、待って!もう少し丁寧に教えて><」
真姫「作り方を覚えて作れるようになりたいらしいわ」
凛「ついでに凛たちも教えてもらうにゃ♪」
亜里沙「Хорошо…えーと、じゃあタマゴの割り方から?」
真姫「そうね」
ツバサ「こんな小さい器でいいの?」
亜里沙「生卵ってベタベタしてるから、器にちょっと残っちゃうんです」
真姫「つまり面積が小さいほうが器の内側に付着する量も減って無駄が少なくて済むのね」
亜里沙「はい♪」
凛「よくわかんないけど、すごいにゃ!」
ツバサ「お料理の天才ね!」
亜里沙「えへへ」
ツバサ「あと、卵を上手く割れなかったりするじゃない?」
凛「割らないとゆで卵しかできないにゃ」 亜里沙「もし殼が入っちゃったら落ち着いてゆっくり取り除けばいいです。火は止めちゃっていいから」
真姫「まあ、準備ができてから点火しても短時間で予熱できるし」
ツバサ「よ、ヨネツってあれでしょ?徳島県出身の」
凛「シンガーソングライターにゃ」
真姫「それ、よね“づ”」
亜里沙「平らなところに軽く打ちつけて、こうやって割れば殼が入りにくいですよ」パカ
ツバサ「上手ね!」
凛「天才にゃ!」
真姫「まだ卵割っただけでしょ…」
亜里沙「フライパンに、これくらいのバターを溶かして…」
ツバサ「こんなちょっとで足りるの?焦げちゃいそう…」
凛「わかった!ごま油とラー油とラードを足すんだにゃ」
ツバサ「なるほど。合わせ技ね!」
真姫「いや、足さないから。ラーメン作るんじゃないし」 亜里沙「溶き卵を一気に入れてください♪」
ツバサ「こ、こう…?」
ジュワー
亜里沙「あとはこうやって遠心力で」クイクイッ
真姫「ちょ、ちょっと待って。かき混ぜたりしなくていいの?」
凛「卵を割ってすぐかき混ぜてたにゃ」
真姫「それはそうだけど…」
亜里沙「Ну…私は焼いてるときかき混ぜないです。卵と油が混ざっちゃうから」
ツバサ「混ざったらダメなの?」
亜里沙「混ざると卵が直接フライパンにくっついて失敗しやすくなるんです。お料理上手な人じゃないと難しいかも…」
真姫「なるほど。初心者には向いてないのね」
亜里沙「菜箸でこうやって少しずつ…」カカカッ
凛「あっという間にできたにゃ!」
ツバサ「こ、これがオムレツ…」
亜里沙「お姉ちゃんより上手じゃないけど、私はこんな感じです♪」
真姫「充分上手いと思うけど…(ここにいる三人よりは)」 ツバサ「絢瀬さんはこれ以上の技を持ってるっていうの…?」
凛「世界の壁は高いにゃ!」
真姫「いや、エリーも日本人でしょ?」
亜里沙「私も絢瀬さんです♪」
ツバサ(こうして私はオムレツの作り方を学んだ!)パラララパパパパーパーパーパッパパー♪
穂乃果「あのぉ…?」
海未「これは、いったいどういう…?」
希「なになに?何が始まるん?」
ツバサ「フフフ…あなたたちは確かにA-RISEに勝った。でも!」
ツバサ「9対3のステージとは違って、料理はあくまで作る人と食べる人の勝負!そして今の私には勝算がある!」
ことり「は、はあ」
にこ「ツバサの手料理ですって!?」
花陽「来てよかったね♪」
絵里「食べるだけでいいの?」
ツバサ(あんじゅと英玲奈には内緒で、私一人でμ'sに華麗なるリベンジ!二人とも私を見直すに違いないわ♪)フフン ツバサ「もう料理下手は卒業よ!今こそ禁断の奥義を──」
ジュー
ツバサ「あ、あら?なんだか卵がきれいに剥がれないわ」ガシガシ
花陽「まだかなー?」ワクワク
ツバサ「くっ。きっと火力が強すぎたのね。今度は弱火で…」
穂乃果「えーと…」
希「これは…何やろ?」
凛「スクランブルにゃ」
絵里「素人にしか見えない」
真姫「教わった通りにやったの?」
ツバサ「料理は心って言うでしょ!?見た目や味がちょっとくらい悪くても」
海未「味もダメなんですか…そもそも料理は心というのは」
ことり「ま、まあ食べてみないと…」
にこ「…い」
花陽「いただきます…」
ツバサ「ど、どうかしら?」 ことり「調味料の味がするね…」
にこ「すごく調味料の味がするわ…」
真姫「いったい何を入れてこんなことになったのよ」
ツバサ「ほ、ほら。砂糖と塩ってたまにちょっと見分けがつきにくいじゃない?」
凛「砂糖か塩だけでこんな味にならないにゃ><」
海未「甘くもなく、からくもなく…いや、むしろ」
ツバサ「それっぽいのを両方入れてから気づいたのよ。オムレツといえばケチャップだって」
絵里「オムレツ…には見えないけど」
花陽「どうしてケチャップを先に入れちゃったのぉ!?」
希「つまり砂糖と塩とケチャップが入ってるんやね」
穂乃果「せめて量を抑えてほしかった…」グッタリ
ツバサ「みんな私の料理の凄さに圧倒されたようね!」
凛「控えめに言ってお料理は諦めたほうがいいと思うにゃ」
真姫「せめてレシピ通りに作るように心がけたほうがいいわね」
にこ「基本ができてないのに変なアレンジをするとろくな事にならないからね…」 ことり「ツバサさん。これ、味見したんですか…?」
ツバサ「いいえ、まだだけど」
海未「では是非、ひと口どうぞ」
ツバサ「ありがとう。いただくわ」パク
ツバサ「まずっ!」ペッ
ツバサ「ちょっと!こんな物を食べさせるなんてあんまりじゃない!?」
希「あんたが作ったんや、あんたが!」
雪穂「アイドルも料理も、地道な努力が必要ってこと…でいいのかな?」
亜里沙「Хорошо」
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