http://www.nikkei.com/content/pic/20130603/96958A9C93819499E1E3E2E1E48DE1E3E2E7E0E2E3E1E2E2E2E2E2E2-DSXZZO5569066031052013000000-PN1-26.jpg

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK31036_R30C13A5000000/

 米マイクロソフトがもがいている。最新の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」の出足は周囲の期待を裏切り、さっそ
く改良版の投入を迫られた。ハイテク業界はもちろん、パソコンの使い手にも強大な影響力を及ぼした姿は、もは
や遠い過去だ。ユーザーのウィンドウズ離れの先には、マイクロソフト自身の落日が迫る。

■「8」の工場で「7」をつくる

 そのパソコン工場の製造ラインでは、最新型のノートパソコンが組み立てられているはずだった。ところが、現場
を見た中堅システム開発会社の幹部は、違和感が拭えなかったという。

 「最後のチェック工程でパソコンを起動させているんです。そのとき、画面上に、窓のようなデザインの旗マークが
はためいているんですよ。8の画面ではなかった」

 最新型のパソコンなのに、1世代前のOS「ウィンドウズ7」がわざわざインストールされていた。

 8用に設計したパソコンに7を組み込む作業は、「ダウングレード」と呼ばれている。対象のパソコンには、8の使用
ライセンスが付与されており、契約違反ではない。マイクロソフトも認めている。

 ダウングレード機は、販売集計上は8として数えられるが、実際に顧客が手にするのは7がインストールされている
パソコンだ。ある大手情報機器販売会社の場合、企業向けの販売台数に占める8はわずか5%。実に95%がダウン
グレードされている。今までもOSが変わるたびに一定数のダウングレードが発生したが、「今回の8は異常に多い」
(同社幹部)という。

 マイクロソフトは昨年10月に8を発売して以降、順調な売れ行きをアピールし続けてきた。5月7日には累計販売本
数が1億本を超えたと発表。ウィンドウズ部門の最高マーケティング責任者(CMO)で、最高財務責任者(CFO)でも
あるタミ・レラーは「発売以来の進捗に満足している」と自現