第2章:治療と発見
一郎は薬を飲み始め、カウンセリングにも通うようになった。すると、次第に幻聴は和らぎ、日常生活が少しずつ取り戻されていった。彼は再び仕事に集中できるようになり、夜も安眠できるようになった。治療は順調に進み、彼の心は少しずつ平静を取り戻していった。
しかし、ある日、彼は驚くべき発見をする。通勤電車の中で隣に座った男が、自分の耳元で囁くように話しかけてきた。「君も聞こえるのか?あの声が。」
一郎は驚いてその男を見つめた。男は続けて言った。「あれは僕たちだけが聞こえるんだ。他の人には聞こえない。でも、僕たちは特別なんだ。」
その男も統合失調症の患者であり、彼の体験を共有していた。一郎は自分が一人ではないことを知り、少し安心した。しかし、それと同時に、彼の中には新たな疑念が芽生えた。「もしかして、本当に特別な何かがあるのか?」
一郎は再び佐藤に会い、自分の体験を話した。「佐藤、僕はあの声がただの幻聴じゃないかもしれないと思い始めた。僕と同じ声を聞く人が他にもいたんだ。」
佐藤は慎重に答えた。「一郎、それは幻覚の一部である可能性が高い。統合失調症の患者同士が同じような幻聴を体験することは珍しくない。大切なのは、現実と幻覚を区別することだ。」
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753FROM名無しさan
2024/06/02(日) 10:50:33.68ID:RuFq7P/E■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています