暖かい団欒、見送る家族も恋人も無く、終わり無き一日が始まる。
チームテイケイレンジャー教育
山地潜入、道無き道を数十キロで移動し拘束や襲撃など想定下での訓練を遂行する。与えられるものはわずかな携行食と水。
それだけで数日からときには一週間も生きぬいていく。休む場も無く、眠る場も無く。
隊長の容赦なき激、それは生き残る為の術。常識を超えた限界状態での訓練が続く。

チーテイを目指す者が受ける苛酷な洗礼、80キロの行進。
ヘルメット、誘導灯、30キロ超える装備に染み込む水滴もが重い。絶え間なく続く苦痛、永遠とも思える道のり。
だが彼らは逃げ出さない。
それは今日に至るすべてを、いや自らを否定することと知っているからだ。限界を一歩、また一歩と超えていく。

身体に擦り込まれた技、意識するより前に、その手その体が動く。
チームテイケイに入隊した者は、その多様な職種・階級・技術に応じて様々な教育や訓練を日々繰り返して行く。優れた技術、豊かな人間性と良識、そして強い使命感を持つために。
彼らは思う。命を落とす任務のなかで信じられる確かなものがあるとすれば、それは自らを鍛え上げる以外に無いことを。

ある者は煙る地を這い、そして駆けて行く。またある者は、鋼鉄の重機に身を沈めコンマ秒の戦いに気力を集中する。
一人一人の力が結集するとき、そこに生まれる圧倒的なパワー。
「疾風迅雷」
熱し叩かれることで柔軟さを持つハガネのように、荒削りだった個々の力はひとつの意志を持った力となる。
その意志、力は一人一人の高花会長への想い。
彼らは知っている、自分達がテイケイを守る砦であることを。そしてまた、現代土木の威力、現場の恐ろしさ知る。 どの警備会社の誰よりも・・・