>>324
オレは、エキストラを始めた時に、黒澤明監督の作品には監督本人もかなり高齢だったし、呼ばれることはないと思っていたが、最後の作品になった「まあだだよ」に一回だけ呼ばれた。
撮影は成城の東宝撮影所で行われた。
昭和初期の衣装や髪型をバッチリ小うるさい位にキメラレ、かなりの緊張感の中ステージ(スタジオ)に入ると、各スタッフや役者達はかなりピリピリしていた。
まもなく少し離れたところで助監督が、何ボットしているんだという顔つきで台本で手招きした。
「いいか、テストの時でも声はもちろん、歩く音も厳禁だからな」と助監督はシルエット用の幕の外での通行人役を指示した。
たとえシルエット(影の出演)でも、衣装・小道具・メイクをバッチリキメルところは、さすが黒澤作品だな?と思った。