マイクロカーネル上に仮想化LinuxとITRON擁するOSの開発 - 早大ら
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2006/03/11/342.html

早稲田大学理工学部 中島研究室と筑波大学大学院 及川研究室、エルミック・ウェスコム
の3者は13日、組み込みシステムのセキュリティと信頼性の強化を実現する新しいOSアーキ
テクチャの共同開発に着手することを発表した。仕様は3者が協力して策定、プログラムの実
開発はエルミック・エスコムが担当する。2007年3月に計画されている同プロジェクトの終了後
には、成果物であるソースコードをオープンソース化する予定。

同プロジェクトで開発されるアーキテクチャは、1つのCPUマイクロカーネル上に仮想化した
LinuxとITRONを実装することが特徴。複数の実効環境が独立して動作する構造により、
アプリケーションやリソースをOSごとに分離、外部からの攻撃と内部で発生した不具合に耐え
る堅牢なシステムを構築できるほか、過去に各OS上で作成したアプリケーションやデバイスドラ
イバなどの資産を生かせるため、開発効率の向上にも寄与するという。

仮想化OSのデメリットとして指摘されることの多いリアルタイム性の低下については、事前実験
によりマイクロカーネル上のITRONが十分なリアルタイム性を保証できることが実証されていると
のこと。また、今回開発するアーキテクチャにおいても、従来と同等のリアルタイム性を実現する
ことを目標として掲げている。