巨人と首位争いをしている2位ヤクルトは今月に入り離脱者が続出している。3日にバレンティンが
コンディション不良、10日に青木が体調不良で離脱。12日には山田哲が上半身の違和感でスタメ
ンを外れ、13日には左足を痛めた西浦が登録を抹消された。
巨人打線とは年俸でも雲泥の差。12日のスタメン(投手除く)を比べると、巨人が総額約12.2
億円に対し、ヤクルトは2億円にも満たない。そんな低年俸メンバーでも12日は巨人に快勝。今季
通算成績も5勝4敗と勝ち越しているのはなぜか?
ある他球団選手は「あの2人が大きい」と言ってこう続ける。
「石井(琢朗=打撃)コーチと河田(雄祐=外野守備走塁)コーチの存在です。カープのときも
『点』を『線』にするのがうまいと思っていたけど、ヤクルトも打線がよくつながる」
石井琢コーチといえば、「ゴロで1点」の野球を提唱。長打に頼らず、併殺打でさえも「得点に結び
つけばいい」という方針で広島の優勝に貢献した。
12日の巨人戦では、二回無死一、二塁の場面でバスターエンドランを仕掛けた。打者がバットに当
てられず失敗に終わったが、河田コーチはその場面をこう振り返る。
「あれくらいしないと点が取れない。かき回すというか、何をやってくるのか分からないという意識
を相手に植え付ける点でも、(失敗でも)やる意味はあると思う。でも、あそこまではミーティング
でも話していなかったんだよ」
機動力を生かした采配は「カープ野球」を彷彿させるが、河田コーチはこう付け加えた。
「カープだったら逆にああいうことはできなかったと思う。理由は緒方監督に聞いてみないと分から
ないけど」
指揮官がコーチに一任する自由さも、戦力不足の中で勝ちをもぎ取れるゆえんかもしれない。
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