甲子園出場助成金廃止へ、松江市

 高校野球も事業仕分け? 松江市は、市内の公立私立校が甲子園出場を
決めるたびに拠出している補助金「応援団派遣事業費」の廃止方針を固めた。
特定の高校生スポーツの応援に限定し、優遇するのは時代の流れになじま
ないというのが理由。市の行財政改革推進委員会での議論や市民の意見を
見極め、合意が得られれば来年度から廃止する考えだ。

 この補助制度は「松江」を全国発信するため1989年に創設。大応援団を
輸送する貸し切りバス料金や入場料、メガホンなど応援グッズ費として、
これまで開星(旧松江第一)、松江東、松江北、立正大淞南の計4校の
野球部後援会に、計11回総額2650万円を拠出してきた。

 当初500万円だったが、財政難で2002夏から100万円に減額。開星が
出場した今夏は50万円に圧縮し、1勝ごとに20万円を増額(上限100万円)
する方法に改めた。

 それでも「なぜ、高校野球だけ?」と疑問視する声は消えず、松江市の
意東茂喜総務部次長は「テレビ放映もあり宣伝効果は高いが、他競技との
均衡を欠くとの指摘は以前からあった」と話す。

 高校球児があこがれる甲子園だが、出場経費は1試合で1千〜1500万円
が相場。春夏9度出場の開星では今春の選抜で、バス代と入場料合わせて
約700万円、選手滞在費で約500万円を支出。生徒保護者の寄付金集めで
赤字は免れたという。

 廃止方針に村本克教頭(46)は「一部学校に税金をつぎ込むことへの批判
対象になっていたのも確か。今までの支援に感謝したい」。09年夏に8強まで
進出した立正大淞南の上川慎二教頭(42)も「削減分がスポーツ・教育振興に
有効活用されるならば、廃止はやむなし」とした。

 高校野球に限った補助制度は、江津、鳥取両市も設けているが(ともに
50万円)、現段階で見直しの方針はないという。

ソース:山陰中央新報('10/11/19)
http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=523145004