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松井選手とイチロー選手の米大リーグ(MLB)初対決となった、4月末のヤンキ
ース・マリナーズ戦。この対決は辛口で鳴るニューヨークのメディアも大々的
に取り上げた。NYタイムズは「ブロンクスで日本の一大事」という報道をし、
タブロイド紙のNYポスト、デイリー・ニュース、ニュース・デーは、いずれも
表か裏の1面で2人の写真を載せ、併せて特集記事も掲載した。また直接対決
第2ラウンドとなった5月初旬には、中継ローカル局フォックス・スポーツネッ
トが、「イチローvs松井」と漢字やカタカナを使った広告を地元シアトルの新
聞に掲載、一方でヤンキース傘下のローカル局YESは、「松井・イチロー対決
第2弾」と銘打ったCMを流した。全国紙USAトゥデーも、スポーツ・ウィークリ
ーで、1面から大きな特集を組んだ程だ。ところが肝心のMLB自身の人気は凋落
している。マーケティング・コンサルティング会社『TSE Sports & Entertain
ment』が全米のスポーツ、マーケティングに携わる企業の幹部213人を対象に
行った「消費者に到達させるのに最も有効なスポーツ」という調査では、首位
フットボールの57%に対し、野球はゴルフ、バスケットボールに次いでわずか
7%の4位である。加えて60%が「野球はもはや国民的娯楽ではない」としてい
る。さらにUSAトゥデーは、開幕後5週間の1試合平均観客数が2万5,197人と昨
年比5%減、一昨年比では11%減で、全30球団中21球団で減少したとし、観戦
料収入が30〜50%を占める各球団の経営危機を指摘。また昨季黒字だったのは
ヤンキース、ジャイアンツ、マリナーズだけで、ドジャース、エンゼルス、エ
クスポズは売却の方針、ブレーブスなど5球団も売却の可能性がある、と伝え
ている。
http://adv.yomiuri.co.jp/ojo/02number/200306/06ny.html