池袋駅近くの本屋で働いていた頃の面倒なお客の話です
そこはまだ新しくかなり広い店であった
客層は良く前のファーストフードよりも働きやすい職場だと思っていた
その日私は幻冬舎文庫のコーナーで新刊を陳列していた
開店して間もない時間であまりお客はいない状況であった
真夏だったがそこの建物は冷房の効きが悪く少し汗ばんだ
そこへアルバイトのS君が私を呼びに来た
「商品を返品したいというお客さんがいるんですが」
そのS君は真面目ではあるがあまり有能でなくちと頼りない感じだった
S君の後についてそのお客のいるところへと向かった
その途中でアルバイトのT君がスポーツ雑誌のコーナーが乱れているので整理している姿が見えた
T君はS君より後輩なのだが有能で細かい事によく気がついた
さらに進んでいくと他のお客から
「コミックのコーナーはどこですか」と聞かれた
おそらく大学生と思われる女性であった
それぐらい自分で探せるだろって内心思ったが「あちらの角の方です」と指差して教えた
そして第2レジのそばまでたどり着いた
店には第1〜第3レジまでありその第2レジはその中ではあまりお客が来ないレジだった
そこに40代ぐらいの男性が待っていた
S君が「こちらの方です」と言った
その男性は私に対して
「あんたは店長さん?」と聞いてきた
しかしその日は店長はお休みであった
店長の休みは基本月曜日で私の休みは水曜日だった
その時間に出勤していた社員は私を入れて4人だった
私はそこで「いえ、店長はお休みです」と答えた
するとその人は「これを返品したい」
と言ってきた
それは黒い手帳だった

少し長くなってきたのでまとめると
一週間も前に間違って買った商品をレシートも持たずに返品したいって言われても困るって話でした