離婚した当時
俺:32歳会社員。元嫁とは勤務先の先輩後輩の間柄だった。モテない。
元嫁:28歳会社員。モテない俺に言い寄ってくれた。離婚後は子会社に左遷。
子供:3歳。男の子。俺にも元嫁にも双方の祖父母にもあまりに似てなくて托卵だと発覚。
不倫相手:30歳フリーター。自分こそ子供の実父だと信じて丸刈りまでして責任を取ろうとしたのだが…。


離婚してから2年後の年末、元嫁が我が家に怒鳴り込んできた。元嫁は髪を振り乱して「なんで子供にクリスマスプレゼントを贈らないのおおっ!」と喚き散らしてたな。
俺はすっかり冷めた目で見ていた。そもそも離婚の原因が、結婚前から続いていた不倫と托卵だ。キーキーうるさいから「クリスマスプレゼントなら実の父親に用意してもらえばいいだろ?」と突き放してやった。
元嫁は雪まつりの氷像みたいに固まってた。つい(こいつのあだ名は氷像でいいや)なんて下らないことを考えちゃった。元義両親に連絡して「あうあうあう…」としか言わなくなった元嫁を引き取ってもらった。恰幅がよかった元義両親がヒョロガリになってて泣けた。
元義両親は娘の愚行のせいで近所中から笑い者にされているらしい。慰謝料を払うために先祖伝来の土地を売ったそうだし。俺に何度も何度も頭を下げる姿を見て哀れになったよ…。本当、親不孝者だ元嫁は。
まあ、実の父親は永遠に見つからないんじゃないか。結婚前から続いていた不倫相手ですら実の父親じゃなかったんだから。丸刈りにしてやつれた不倫相手が元嫁に「このクソビッチが!」と殴りかかってたのは滑稽の極みで笑えたけど。
それにしても、元嫁のやつなんで俺がクリスマスプレゼントを贈ると思ってたのかね。