ネコが可哀想な話なので、苦手な人は読まないでください。

自動車学校で、1番最後の校外を走る試験で、私は2号車で2番目の順番だった。
乗車場で待ってると、2号車が戻ってきて1番に試験を受けた子が降りて来たんだけど、ボロボロ涙を流していた。
「どうしたの?失敗しちゃった?」と聞いたら「違うの、試験コース回って戻る時に車校の入口の所で猫跳ねちゃって…」と言ってたけど、すぐに私の名前が呼ばれたので、こそまでしか話せず2号車に向かった。

車校から校外コースに出ようとした時、門と道路の間に、ぐったりしてるけどまだ動いてるネコがいた。
生きてる?!と思って隣に乗ってる教官(1人目の子が乗った時と同じ教官)に「ネコまだ生きてます!」と言ったら「そうだね〜」と呑気に言うから
「誰かに病院に運んで貰うようお願いできますか?!」と言ったら、ニヤっと笑って「変な蛇行運転したら失格だよ〜。早く進んで」と言われた。
変な蛇行運転って、このまま進んだらネコを轢くことになる。「嫌です。無理です!」って言ったら「じゃあ棄権する〜?俺はどっちでもいいけど〜?」と言われどうしていいか分からず、その場で呆然としてしまった。

そしたら後ろから3号車が来てクラクションを慣らされて、それでも動けないでいたら3号車の教官が降りてきて「どうしたの?」と聞かれたから事情を話したら
携帯でどこかに電話して、猫を抱き上げて敷地内の花壇の横に移動させて「事務員の子が来てくれるから大丈夫だよ、落ち着いて試験受けて」と言ってくれた。

2号車の教官はニヤニヤしながら「学科でも習ったよね〜?動物は下手に避けると後続車や対向車も巻き込んだ事故になりかねないから、本来は轢いてでもまっすぐ行かないとダメなんだからね〜?本当だったら、この試験もここでアウトだからね〜?」と言ってきた。

今思うとサッと行動出来なかった自分も情けないけど、当時18歳の私にはこんな大人がいるんだ…と衝撃的な出来事だった。
ネコは轢いた子と事務員さんが2人で病院に運んでくれて、車のスピードが出ていない所にネコが突っ込んで来た感じだったみたいで、脳震盪と骨折だったそう。