>>14 続きです

姉は背がちっちゃくて(148センチ)、目はぱっちり二重のクリクリのまんまるお目目で可愛くて、丸顔の童顔で、自慢とかしないで周りを持ち上げるのが上手くて、空気を読むのが上手くて、たくさんの友達がいて...
妹だからそう見えるのかもしれないけど周りに愛されてるのが本当によくわかった。

でも姉は本当は幼い頃から無気力で心底面倒臭がり屋で
家にいる時は食事・トイレ・お風呂以外はずっと寝てるような人だった。

小学生高学年あたりに授業中に寝るという技を覚えたらしく、それからは移動教室や体育、給食の時間以外はほとんど寝てたらしい(姉の同級生談)。
その癖テストの点はどの教科もいっつも90点台だから先生も何も言ってこなかったらしい。
そんな授業態度は高校生になっても専門学生になっても変わらなかったらしい。

そんなだらけきった生活を送る姉が、専門学校の1年生だったある時から「体がだるい」って言い始めた。
親は「どうせ寝過ぎてだるいんでしょ」って相手にしなかった。
でも私は姉がなんだかいつもと違うって思った。のに、親が言うんだからそうなのかなって思っちゃって何も言わなかった。

「体がだるい」って発言は2週間くらい続いて、ある日苦しそうに「お腹が痛い」って突然倒れた。
親が急いで救急車を呼んで近くの病院へ。
医者は症状を見てピンと来たのか、すぐに総合病院の紹介状を出してくれて姉はそっちへ運ばれていった。

総合病院ではすぐに詳しくみてくれたみたいで姉は入院、私たち家族だけが呼ばれてガン宣告(詳しい病名は伏せます)。
若いからか、だいぶ進行してた。

姉に伝えるかどうか聞かれて、私と両親はどうせ気付かれるからと伝える事を選択した。

病室に行くと点滴に繋がれながらも意外と元気そうにしている姉を見てほっとすると同時に「さっき倒れたのが嘘とまではいかんが、割と普通に戻ったな」とか感心してた。

そして両親が姉にガンである事を伝えると一瞬驚いた顔をして下を向き、小さく「そっか」って呟いた。

傍から見るとショック受けてるんだな、傷心したよなって感じがすると思うけど私は見た。
下を向いて頬を緩めた姉の顔を。