うちの職場の修羅場をさらにハイレベルな修羅場にしたAという従業員(♀)のこと。

私が勤める会社は従業員30人くらいで、さほど大きいというわけでもありません。
それでも、会社トップの人たちはそれなりに従業員の働きやすい環境を整えてくれていて、
よほどの急ぎの案件がなければ定時で帰れるし、土日・祝日はほぼ100%休めます。

ところがあるとき、創業以来数十年間なかったとされる大規模な繁忙期が訪れました。
近所にある同業他社が大雨で被災したので、
復旧作業が終わるまであちらの業務の一部を引き受けることになったのです。
従業員それぞれの仕事内容にもよりますが、残業に追われる人も出てきました。
ついには休日出勤もすることになりました。
土曜日・日曜日・祝日、どの日も全従業員の半分程度が出勤するという具合で、
毎日誰かが会社にいる状態が1か月ほど続きました。

この勤務体制に不満を持つのがAという従業員で、休日出勤の指示に従おうとしません。
「だって、せっかくの週末だもん。わざわざ出勤したくない。
観光地に出かけて、いい男を見つけるのが週末の習慣。ミャハ。」

いい男云々の話は、Aの入社以来、休憩や帰り支度のときにさんざん聞かされて
飽きた話題ですが、まさか仕事を断る言い訳に使うとは。
(親戚の法事や歯医者の予約をキャンセルしてまで出勤する人もいるんだぞ。)

会社トップの人たちもAのもとに来て、
「特別扱いするわけにいかない。」
「あっちの会社(=被災した同業他社)の人はもっと大変な思いをしている。」
と説得したものの、結局、割り当てられた4回の休日出勤にAは一度も来ませんでした。

(つづく)