そんなある日。

反抗期を迎えた上司の娘(遅い子で、現在中2)が、茶髪にする代わりにお小遣い握りしめて美容院でロングヘアをレイヤーの入ったミディアムヘアにしたらしいのである。

一応、学校は結びにくくても校則があるので結ぶが、お友達と遊ぶなどプライベートでの外出では髪を下ろして外出しようとするらしい。

「みっともないから結びなさい! というか、髪を伸ばすなら結い上げるために伸ばすべきなのにそんな不便で矛盾した髪は切って、ショートかボブにしなさい!」

と言っても娘は聞かず、大喧嘩したとか。

もちろん、こんな上司の娘だから娘さんは、これまで肩につく長さになってそれ以上伸ばしたかったら必ずまずおかっぱ的平行ボブに揃え切りされてきたし、

校則のない小学生時代も、肩以上の長さで髪を下ろして登校させたことは一度もなく、

さらに髪をとくとか洗うとか乾かすとか寝る時以外で肩以上の髪を娘さんが下ろしてる時を一瞬でも見ると、その度に「管理がなってないから伸ばす権利はない! 髪切るよっ!」と問答無用でショートにしてきたらしい。

正直、会ったこともない娘さんに「私らのためにも、大暴れしてお母さんの価値観をぶち破ってよ娘さん! マジ勇者!!」とエールを送りたくなる後輩一同だった…。