自分一人の経験からではあるが、社会を改善し、善良な国民を作らんとするには、どうしてもホームの改善――
貧児の救済を先にせねば万事徒労に帰すと思う

(略)

一、子供には如何なる事ありとも、ひもじい思いをさせぬ事
二、就学業務の年齢に達した者には必ず教育を施す事
三、遊ぶ可き時は専心に遊ばす可し
四、親は有り難いもの、家庭は楽しい所という感を与うる事に留意する事
五、子供の目に触れる所にては、父母ともに、猥褻な事を言い且つせぬ事

(略)

 良否定まらぬ人間を、不良にする境遇は、――家庭は大概極って居る。不良少青年を捕まえたり養ったり
する金を、彼等を出す境遇――家庭改善救済に使って戴きたいのが、死んで行く身の願望なのです

大正末期の殺人犯の遺言。
これが出来ない奴は親になっちゃらめ。
(恐ろしいことにうじゃうじゃいる)