その後、授業が再開しまた別のペアワークが出された。ペアは同じ人。
「ペアワークですけど、できますか?」
「…。」

「黙ってたら分かりませんから、しんどいんだったらそれだけ教えてください。頷くだけで良いから…。」
「…。」
「もういいです。次、ペアワークあるなら相手を変えてもらいますね。」

ペアワークはそれで最後だったんだけど、次に先生が全員に発表をさせた。
「じゃあ、次、君、発表して。」
「…。」

「何かない?○○とかさ…。」
「…。」
「しんどいの?それか特にない?」
「…。」
「言ってくれないと分からないからさ、しんどいんだったらちゃんと言ってよ。じゃあ、次後ろの子。」

その後、二度くらい先生は全員に発表させたが講義の間、友人は一言も喋らなかった。先輩のこともそうだが先生は他大学から来た初対面の偉い先生だったので失礼すぎるだろと思った。

授業終了後に聞くと「しんどくて知らない人と喋りたくない気分の時ってあるじゃん?なのにずっと話しかけてきて空気読めないのかな…。それに私の方が後輩なのに敬語話してきて怖かった…。」

「でもしんどいんだったら言わないと。先輩も先生も無視したと思ったんじゃない?」
「無視してないよ?しんどかったから答えなかっただけなのに…。」と泣き出した。

私はそんな友人が信じられなくて徐々に疎遠になった。友人はその年、現役で落ちた難関大の医学部を再受験し合格して次の年にそこへ再入学した。(うちの大学は難関大でもないし医療系学部でもなかったのに何故入学したんだろう)