いわゆる「オタサーの姫」になろうとして失敗した女性を目の当たりにした時が衝撃的だった。

厳密にはサークルじゃなくて、デザイン系の専門学校のクラスで男女比はだいたい20人づつくらいで均等。
なんとなく男子は男子、女子は女子だけで教室で真っ二つに固まってたんだが、女子で1人だけ、
常に男子側に座る子がいた。仮名をAとする。
女子が話しかけてもAはダルそうに相槌を打つだけなのに、男子には媚び媚びでカワイコぶり、甘えたり懐いたり。
しかし男子達は見るからに三次元の女に馴れてない感じのまさにオタクといった風情で、Aの媚びには戸惑うばかりのようだった。
Aが背の低い可愛い系で、オタク好みだったらどうだったかわからないけど、多分Aはオタク男子の趣味には合わなかったと思う。
Aは背が高くてどちらかというと美人系で、服装センスもおとなっぽくて、媚び媚びのカワイコぶりが恐ろしく似合ってなかったし…。

そんなある日、たまたま見てしまった。
Aがわざと男子の席に体当たりをして、机の上の物(筆記具とか)を床を落とし、
「ごめんね〜」と拾い上げながら、「お詫びしたい!奢るから今日一緒に帰ろうよ!」と男子の腕を抱き締め、
自分の胸をこすりつける様子を。
男子は明らかにドン引きしていて、「いや… いいですから…」と及び腰で逃げていた。

Aはその件で「ダミダミコリャ」と思ったらしく、翌日、いきなり女子グループの方に来た。
Aの方から「おはよー」と話しかけてきて、入学から2ヶ月くらい経って始めての事だったので、女子達もドン引きだった。

まぁでも話したら面白い子だったので女子達は割とすぐに受け入れたけど。
間違いなくオタサーの姫になろうとして失敗したんだろうなとは思うものの、ミジメとかではなく、
アテがハズレちまったぜ、アハハって感じでめちゃくちゃサバサバしてたところも衝撃だった。