でも、父の愛情は常に母にしか向いていなかった。私や姉、弟は愛されているけど、父と母の子どもだから愛されているだけでそれ以上でもそれ以下でもない、みたいな。
言葉にするのがとても難しいんだけど、恐らく父は母が死ねば私達に見向きもしなくなるんだろうなと思う。母がいるから愛されている、みたいな。
子どもがお母さんに褒められたいから勉強を頑張るように、父も母に褒められ愛されたいから私達を愛しているように、少なくとも私には感じられた。
精神科医にはその感情が問題になっていると指摘された。良く虐待を受けた子どもは虐待親になりやすい、というけど、私の場合は自分が親になった時きちんと愛せるのか分からなくて拒絶してしまうんではないか、と。
だから子ども自体ではなく自分の子どもに拒否反応が出ちゃうんだそうな。
彼にはこの話はまだしていない。私達が自立して余裕の生まれた両親は貯まった有給を使って海外旅行によく行くようになった。
歳を重ねてもラブラブな両親のように彼はなりたいらしいから、尚更言えない。
実際に子どもができたらできたで乗り越えられる問題なんだろうか。
鬱のような精神病と違って、治療しなくても生活に支障はない代わりにこれと言って決定的な治療法もないそうだ。
気づいたら親になっていたし大丈夫っぽい!という人もいれば、妊娠したけど不安で…と精神的に参ってしまい流れてしまう人もいるそう。
はああ、どうしよう。