俺の所属している部署は出入りが激しいので面子が固定しない。
過去の業務日報や会議の議事録を見ると知らない人の名前ばかり並んでいる。
そして今月から新たな面子が加わった。年齢は還暦に近い内館牧子似で
常に首の角度が「ま〜きの!」的な角度で固定されている婆さんである。
朝イチ挨拶を済ませて机に着席するなりマイカップを差し出しコーヒーだか
煎茶の粉末を注いで一点を見つめたまま一気に飲み干した姿を見た瞬間から
我々の部署に新たな息吹が芽生える予感がしたのは果たして俺だけなのだろうか?
彼女は初日の研修三昧で疲弊したらしく、非常階段のフロアで階段の柱を掴んで
人知れずストレッチに励んでいた姿が印象的だった。彼女の同行を生温かく見守りたい。