ちなみに、マルチプレーンの撮影で発生した被写界深度については是としたが、これには理由がある
あれは原理的に『実写的アプローチによって発生した自然な効果』だからだ
元々フィルムに現れる被写界深度の階層ってのは、実際にある空間をカメラで切り取る際に機材の特性から『自動的に発生、付随する効果』だ
マルチプレーンによる撮影は、特殊な撮影台によって階層的に配置されたセルをカメラで切り取ったもの
つまりあれは原理的に実写の撮影で発生する被写界深度と同じなんだよ。だから深度やピントの移動に違和感がないし、しっくり来る

新海や山田のそれは、場面によって基準が無茶苦茶
大体、質量を持たないペラペラのデザインのアニメキャラの画のどこに奥行きを設定するかなんて恣意的にならざるをえない
現在の標準的な日本のアニメキャラの顔の造型の、どこに奥行きがあるんだ?
ライティングも彩色もペラペラな画に『撮影でだけ』実写的な奥行きがあるように見せかけようとするインスタントさとその違和感
それが表現として、もしくはそれを指向する思想が稚拙だってんだよ