0256名無しさん名無しさん
2017/11/19(日) 19:46:48.81ID:92ABdAyJ0「こう見えて俺はカタギには手を出さない主義なんだ。でもお前はヤクザみたいなもんだろ?」
「・・・!!」
「かなりのワルだろ? 目を見りゃわかる。お前の目は、人殺しもやりかねない目だ。」
男はそう言いながら、ポケットに手を突っ込み何かを取り出そうとする。
「ち、違う、こ、殺す気はなかったんだ!あれは・・・・事故、事故なんだ!
調子に乗り過ぎただけだ!悪かった!許してくれ!」
激しく動揺し、意味のないことだとわかりつつも思わず謝罪する竜也。
「あ?何のことだかわからねーが、おまえ本当に人殺してたのか?」
「ぁぁあああ・・・・・」
「そうか・・・それなら・・・」
「遠慮なく殺せるな!!!」
男はそう叫ぶと、すかさずポケットから短刀を取り出し、竜也に襲い掛かる。
「うぁああああああああ!!!!」
竜也は悲鳴を上げながら逃げ出すが、男は即座に竜也に追いつき、竜也の襟首を掴む。
次の瞬間、竜也の背中にブスッと短刀が突き刺さる。
「ぐぁあああああああっ!!!」
前のめりで転倒する竜也。ひらひらと地面に落ちていく数枚の紙幣。
男はうつぶせになって倒れている竜也の左手近くで立ちどまる。
「ガキにしちゃあ高級そうな腕時計だな。どうせこれも盗んだ時計だろ?」
「あ、ぐぐぁ・・・」
男は、腕時計を抜き取ってポケットにしまうと、散乱した紙幣を拾い集める。
「この金で最後にいい女でも抱かせてもらうわ。じゃあな」
そう言い残すと、男は遠くに見えるネオン街の方へと歩いていく。
その後ろ姿を竜也はうつろな目で見ていたが、
「おぐぇは・・・・おぐぇは・・・・」
と何かを言おうとしたのを最期に息絶える。
作業着の男が、ネオンに目を細めながらつぶやく。
「刑期は20年、自首すりゃ15年ぐれーか。何にせよしばらく見納めだな・・・」
つづく