0250名無しさん名無しさん
2017/11/19(日) 01:34:46.16ID:92ABdAyJ0店長が呆気に囚われている間に、店を飛び出す竜也。
「こらっ!待て!」と店長も遅れて後を追おうとするが、一瞬引き返して
「佐藤君!警察に電話して!」とアルバイトに通報を頼む。
「泥棒!誰か!捕まえて!」と叫びながら店長は必死に後を追うが、通行人は驚いて立ち止まるだけ。
竜也はぐんぐん引き離し、店長は諦めて立ち止まる。
ひと気のない脇道に入ったところでビルの壁にもたれかかり、腕時計に手をかける竜也。
「俺を追い詰めたとしても無駄だ。俺が店に行ったのは30分前。30分も戻れば、俺の犯行は
なかったことになる。」
そう呟きながらゆっくりと竜頭を回す。
しかし、長針も短針も動かず、空回りするだけで景色の揺らぎも眩暈もない。
「マジかよ!!壊れたのか!?」
焦って何回も竜頭を回すが一向に針が動かない。
「どうなってんだ!まさかこいつルーレットみたいになってるのか!?」
そうこうしているとパトカーのサイレンが聞こえ、竜也のいる脇道に交差した大通りをパトカーが通り過ぎていく。
「やべーな・・・。ひとまずもっと遠くに行かないと・・・」
つづく