この問題をごく簡潔に表現すると、2021年度入試より、センター入試・英語が、民間の外部試験(TOEICや英検など)に置き換わるというものである。
これだけなら何が問題なのかわかりにくいが、次のような問題点が多くの専門家・関係者から既に指摘されている。


1. センター入試(に相当する試験)を廃止する根拠が不明である(スピーキング入試が必要なら大学入試センターに作成させればよい。センターは語学テスト会社に匹敵するかそれ以上のノウハウを持っている)


2. 代案として用意されている民間外部試験の妥当性が驚くほど低い。しかも、運営上のトラブルが頻出しており、受験生が多大な不利益を被る恐れがある


3. 以上のような多くの問題点が指摘されているにもかかわらず、導入が強引に決定された。手続き上にも深刻な瑕疵がある


4. 特定の民間外部試験の導入ありきの議論で、利益誘導の恐れがある
 
この問題は、大学入試における英語の学力測定の制度改革に関するものである。したがって、本来は官のレベル(=文科省。正確には省内部局レベル)で適切に解決される問題であったはずだが、どうにもこうにも埒があかないため、政治のレベルへの訴えにつながった。