第100回夏の甲子園決勝戦ー

「っっっ!決まったぁー!155キロォ!!!」
大観衆の見守る中、その怪物は世代最速の直球でこの日19個目、大会99個目の三振を奪取した。
9回裏、4点ビハインドで2死走者無し、選抜覇者の大阪桐蔭は正に絶体絶命だ。
最後の打席に立った根尾は、既に全てを悟っていた。
「こんな怪物に、勝てるわけが無い。勝負は最初から決まっていたのだ。」
常時140キロ台の速球と、カーブを抜群の制球力で自在に操る。
ズドン!ズドン!
その直球で根尾はあっという間に追い込まれた。史上最強世代と呼ばれた大阪桐蔭の4番打者を、怪物は完全に圧倒していた。
「最後はストレートで空振り三振!試合終了ぉ!!!」

金足農 4-0 大阪桐蔭

大会新記録となる100個目の三振を奪った吉田が胴上げされる。
金足農側応援スタンドは、吉田!吉田の大歓声に包まれた。

「今年の金足農は、史上最強と呼ばれた大阪桐蔭を倒した、紛れもなく史上最強のチームでしたね。」