ヴィンセントが斬る− 渡辺選手

中本牧では鳴かず飛ばずだった少年が成長し、横浜時代にはレギュラーの座を勝ち取り「祖父子鷹」で甲子園を勝ち取った−
明大に進学しドラフト候補に躍り出たと聞き私なりに観察してみた。
なるほど、高校時代から幾ばくかビルドアップし、フォームも変えたようである。
高校時代に見られたお馴染みのフラップに手をやるルーティーンは無くなり、少しばかりメジャースタイルのルーティーンを意識してるように見える。
これは非力な自分を打ち破りたいというコンプレックスから来てるのでは無いだろうか。
いわゆる懐が深い構え構え、雰囲気は良い。ここでもう少し落ち着きが欲しい所だがエルボーガードに触れたり、バッテに触れたり忙しい。
まぁ仕方無いだろう、あのゴジラ松井も神経質で肩を何度も何度も抜く仕草が見られたりと千差万別。欲を言えば彼なりの一定のルーティーンを構築して欲しい。
ルーティーンワークがいつも変わらなかった08小川健太選手などを参考にして欲しい所である。
逆方向への打球、ライト方向への打球もフォロースルーから打球を見上げる角度、スタートも良い。
それなりの資質はあるようである。
ただし数字のレトリックに騙されてはいけない。一見すると打率も良い、データ上で気になるのは通算本塁打0(これには通算本塁打22本の筆者も驚きである)
なんと0である、しかしここも世間の言うアベレージヒッターという事で黙って見よう。
ここで私は六大学で彼がどこからその打率、つまり安打製造機と言われる安打を稼いで来たのか−
ここに着目してみた。その結果

2018春季リーグ戦 全16安打中5安打は東大
2017秋季リーグ戦 全16安打中5安打は東大
2017春季リーグ戦 ここではカモとの対戦が無く.226
2016秋季リーグ戦 全14安打中2安打は東大
2016春季リーグ戦 全13安打中2安打は東大
2015秋季リーグ戦 .172と低迷
2015春季リーグ戦 全3安打中2安打は東大

計253打数74安打中16本が三流からの稼ぎだった。この結果をプロのスカウトがどう判断するか見ものである。

出塁率 0.326
長打率 0.356

OPS 0.682

NOI 444.7

この基準に沿ったNOIでは、OPSよりも本塁打の価値が下がる代わりに四球の価値が上がるとされる。
NOIは450以上ならば平均的な打者、550以上ならば主力級の打者、600以上ならば一流打者となる。

いずれもプロの基準では中々厳しい、誤解を招かないよう加筆させて頂くなら、私は当該選手を応援しているのである。
良い選手になって欲しい、プロで活躍して欲しいからこその愛のレポートである。彼の飛躍を願ってやまない。