呪いのウサギ

少し寒い日の事だ
猟師が森で狩りをしていた
夜が更けてきたので帰ろうと思った
まだ2匹しか捕ってない
それが少し心残りだった
すると遠くの方でぼんやりと明かりが見えた
近づくとそれは小屋の明かりだった
看板には『宿』と書かれていた
猟師は中が気になり扉を開けた
宿屋は暖かく、そして甘い匂いがした
今日はここに泊まろうと思った
宿屋の主人は「その獲物は外に捨ててくれ。そのかわり晩飯はお代はいらない」と言った
猟師は少し考え扉を開けて外に捨てた
宿屋の主人は安心した様子で「さあ、こちらへ」と中に案内をした
ふと天井を見上げると赤い布と青い布が張り付けられていた
赤い布は汚れていて青い布は真新しいものだった
部屋に入るとベッドと小さい机と椅子があった
少し違和感を感じた猟師だったが荷物を置き椅子に腰かけた
しばらくすると扉をノックする音が聞こえた
猟師はじっと扉を見つめた
もう一度ノックが聞こえたが猟師は一切動かなかった
そしてベッドに入り眠りについた
朝起きると椅子の上にウサギの死骸があった
猟師は一言「やっぱりな」とだけ言って宿屋を後にした
その翌日猟師は森で首をつり自殺した
足下には獲物はもちろん1匹だった