バレンタインでさ

私は例年通りアイツに告白したの

というのもアイツ耳遠くてさ

おまけに鈍感で私が好き好きオーラ出してんのに片思いと思ってるくさい訳

それでバレンタインよ

雪が降りしきる帰り道、例の奴を渡す機会を今か今かとうかがってたの

そしたら寒いし疲れたしでお茶でも飲んでこうとアイツからのお誘い

そんでホイホイついていったら甘い恋人の匂い漂わせたお客さんばっかりでさ

どうも私たち場違いな人間が入ってきてすみません思いながらカウンター席に通されます

して温かいコーヒーで一服した後、誰も見てないだろうし渡したれと例のアレを取り出して

いつもの、好きだよ、を添えて渡したったの

ならアイツは私の手首つかんで、何て?っておなじみの台詞

これまでは二度も言うのは流石に恥ずかしくて無視してダッシュで逃げてたの

でもアイツ実は力強くて全然放してくれなくてさ、諦めて二度目の告白させられてね

その後は結婚するのは確定として、三人くらいは子供ほしいよねってアイツに相談した、って話