「い、いやその……バカにしてるとかそんなつもりはないけどさ。ただ……何ていうの
かな。俺なんかを相手に……いや。もちろんお礼だからってのは十分分かってるけど、
何かいざとなったら嫌悪感の方が先立つんじゃね、とか……」
 戸惑いの色を隠せない別府君に、私はもう少し自分に自信を持ってもいいんじゃない
かなと、いささか呆れる思いで見つめていた。もっとも、その自信を無くさせているの
は私の普段の言葉なのかも知れないけれど。そもそも嫌だったら、さっき指摘された時
点で重ねた手だって離している。
『だったら、試してみようかしら』


続く
といっても実はあと1回だった件