本拠地、ギルドクエストで迎えたテオ・テスカトル戦
先鋒ゆうたが即3乙、攻撃もほとんど命中せず惨敗だった
集会場に書かれる「またキッズかよ」のチャット
次々に離脱し始める野良プレイヤーの中、アプデ前の覇者ゆうたは独り3DSを抱え泣いていた
改造ギルクエで手にした栄冠、HR、装備、そして何よりハチミツをくれるプレイヤー・・・
それを今の環境で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」ゆうたは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、ゆうたははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい3DSの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、他の部屋で忍耐の種を貰わなくちゃな」ゆうたは苦笑しながら呟いた
クエストを受注しようとした時、ゆうたはふと気付いた

「あれ・・・?改造ギルクエができる・・・?」
ゆうたが目にしたのは、一時保存クエストまで埋めつくさんばかりの改造ギルクエだった
どういうことか分からずに呆然とするゆうたの目の前に、見覚えのあるモンスターが登場してきた
「ゆうた、早く攻撃してこい」声の方に振り返ったゆうたは目を疑った
「ベ・・・ベースキャンプにイャンガルルガさん?」  「なんだゆうた、居眠りでもしてたのか?」
「う・・・動かないラージャンさん?」  「なんだゆうた、かってにラージャンさんを活動させやがって」
「キリン亜種さん・・・」  ゆうたは半分パニックになりながらギルクエ一覧を見た
1:クシャルダオラの討伐Lv99 2:シャガルマガラの狩猟Lv99 3:ドスランポスの討伐などLv99 ・・・・・・
暫時、唖然としていたゆうただったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「改造ギルクエできる・・・改造ギルクエできるんだ!」
野良プレイヤーから回復薬Gを受け取り、ベースキャンプへ全力疾走するゆうた、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、3DSを抱えて冷たくなっているゆうたが発見され、しょうたとたくまは病院内で静かに息を引き取った