去年最後の修羅場中。

どうしようもなく疲れて、体の血液がドロッドロになったかんじがしてどうしようもなくなって部屋で腐ってた。
そうしたら何故だか途方も無く哀しくなって、静かに泣いていたら、自分の部屋の扉を兄が開けた。上半身裸で。

兄は趣味でボディビルをやっている。それはもうムッキムキだ。頭頂部に穴が開いていなくて、ビームを撃たないのが不思議だ。
まあ、それで急に自分の部屋にやってきて、凹み倒した自分の顔を見ると、何故だか、
「サイドチェストォ!!」「サイドトライセックス!!!」「ラットスプレッドフロントォ!!!」などと次々とポージングをしはじめた。
自分が呆然としていると、彼自慢のセクシーボイス(自称)で、体育館の中か何かでもマイクいらないような声量で、
「どうしたあ?湿った顔をして!!こう言う時はスクワットだ!!いくぞお!いーち!にー!ほおら、一緒に!!さあ!!」

と自分を無理やりスクワットに誘い、やらされた。
そうして二十分ぐらいスクワットやってたら、体の血行が良くなって眠気がなくなり、疲れもけっこう抜けた。
そして何故だかきな粉牛乳をたっぷり飲まされ、兄は「ではまた明日!」とか逝ってコンビニに出かけた。

その後、どうにか原稿は完成。兄はコンビニの帰りにバイクに轢かれた。


無傷で帰って来た。