世界大百科事典 第2版「作話」の解説
さくわ【作話 confabulation】
虚構の作り話のこと。追想の障害がある場合に,その記憶の脱落をうめるために事実とは異なる答えをするのが当惑作話であり,脳の器質的な障害のあるときに認められることがある。作話の内容は首尾一貫せず,動揺し,暗示を受けやすい。頭部外傷やアルコールによるコルサコフ症候群において,ときには,より自発的な生産的作話の形をとることもある。そのほか,小児や空想性で顕示性の性格特徴を有する欺瞞(ぎまん)者の空想性作話,あるいは記憶への異常な意味づけに基づく妄想性の作話などがある。