【紫綬褒章】囲碁の名誉名人、趙治勲さん(62)「囲碁への愛情深まった」
https://www.sankei.com/life/news/190520/lif1905200010-n1.html

通算獲得タイトル74期は囲碁界最多。11歳9カ月でプロ入りし、52年目にもたらされた栄誉に「(師匠の)木谷実九段と同じものをいただけるのは光栄です」と顔をほころばせた。
同一タイトルとしては最長となる10連覇の本因坊と、通算9期の名人で名誉称号を名乗る。
「頂上で戦い、勝つことが生き方。負けは自分を否定することだった」
対局に集中するあまり、よくない手を打つとボヤいたり、自らの頭をたたいてみたり。史上初めて七大タイトル全てを獲得した。大舞台からは遠ざかる。それでも「囲碁への愛情、感謝は今のほうが大きい。勝っている時期は不遜だったから」と話す。巧みな話術でファンの笑いを誘う解説会が、恩返しになっている。
人工知能(AI)搭載ソフトとの対局も経験したが、「着手があまりにも正しいので、面白くない」とはっきり言う。
韓国・釜山出身。「(6歳で来日し)韓国籍のまま日本に長く住んだことが、日韓友好に少しは役に立っているのかな。人に愛される芸風じゃないけど」。チクン節のなかに、2つの祖国への思いがにじむ。(伊藤洋一)

趙治勲さんは20日付で発表された紫綬褒章に決まった。