…このままだと本旨を誤解されかねないので、きちんと書いておこう。

ここはルールスレではないからテクニカルな話はしない。
とにかく、>>728が黒放り込まなくてよいのは、実はとんでもない例外だということだけ。
だからこそ、規約死活例のはじめの方にこの図が載っている。
そして、「実戦解決しても地の損得は変わらないから」などという説明は誤りだということ。
それを理解していないと、日本ルールの根本に対する認識を大きく誤ることになる。
もしも地と死活を絡めてしまったら、こんな白石も黒が20手損しなければならないから
生きになってしまうだろう。

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一方で、曲がり四目の説明についてはこう言えばすむ。
 「終局後に取りにいける石は手入れしなくても終局時点で死石だ。
  それは【普通の死石とまったく同じ理屈だ】。おぬしはそれを手入れして取り上げろと申すか?」
これだけの単純な理屈で済むのだから、日本ルールは部分死活だとか、囲碁規約で決まってるだとか、
中国ルールでは取りにいけるだ云々かんぬんは、はっきりいって余計な話だ。
(なお、「終局は合意で決まるんだ」などという条項に関しては、基本的にないものと考えたほうが良い。)
部分死活だのはあくまでもセキや万年コウが同時に存在していた時の話。
曲がり四目単独であるなら、死活解決に規約のコウ制限は本来まったく不要なことに気づくだろう。
ところが死活例ではこれがあたかも特別であるかのように書かれている。
こういったことが、何が「基本原則」で、何が「例外」なのかを混乱させている原因だ。

最後にいっておくが、この話で自分は決して、日本ルールが問題だらけだといいたいのではない。
ただ囲碁規約については、基本的に「例外」部分だけを強調して書いてあるくらいに受け取った方が良い。
よって肝心なことは、それがあくまでも「例外」であるということを正しく認識することだ。
そこに書かれていない日本ルールの「基本原則」(いわば純碁の地のバージョン)自体は、実は単純で完全なのだ。

日本ルールの話をすると、二言目には「中国ルール」と言い出す人が一定数いるように見受けられる。
だがそれはあまりに短絡的だ。
「地」と「石」は、囲碁のゲーム戦略に「パス」を含めて考えたならばそのゲーム性は真逆のものだ。
さらには、中国ルールが完全に見えるのは、石を数えていることが要因なのではなく、
「全局同形禁止」のスーパーコウを採用しているからにほかならない。
だから日本ルールでも仮にスーパーコウを採用すれば規約はかなり簡潔になる。
逆にいえば、もしも中国ルールがスーパーコウを廃止するなら、中国ルールも論理的にはガタガタだ。
しかし近年は中国ルールでもスーパーコウに曖昧な立場をとっている。
その視点で捉えるならば、むしろ日本ルールの構造は土台がかなりしっかりしていて
逆に中国ルールの方が見習うべき点が多い。

よって、日本式の地のルールだけが一方的に欠陥であるかのような認識は、まったくもって誤解である。


…ああちなみに、>>744は見当違いにみえるので無視したほうがいいだろうw