.訃報:坂田栄男さん90歳=囲碁棋士、本因坊戦7連覇
http://mainichi.jp/enta/igo/news/20101022k0000e040079000c.html

坂田栄寿・囲碁二十三世本因坊 本因坊戦7連覇や7タイトル同時制覇など、数々の記録を打ち立てた囲碁棋士の
坂田栄男(さかた・えいお)さんが22日、死去した。90歳。

1920年、東京都生まれ。29年、増淵辰子八段に入門した。35年にプロ入り(初段)。
51年、日本棋院最高段者トーナメント戦を制し、初優勝。55年、九段。

61年、高川秀格本因坊(当時)の10連覇を阻止して新本因坊となった。同年、7タイトル制覇を達成した。
64年にも名人・本因坊など、再び7タイトルを制覇。年間30勝2敗、公式戦29連勝という大記録を打ち立てた。
67年まで本因坊戦7連覇。二十三世本因坊の資格を持ち、坂田栄寿の号を名乗っている。

「カミソリ坂田」「シノギの坂田」と呼ばれる切れ味鋭い棋風で相手を圧倒。65年名人位を、
68年に本因坊位を失うが、その後も十段、王座などのタイトルを獲得、トップ棋士として息長く活躍した。

78年から86年まで、日本棋院理事長を務めた。92年、文化功労者。00年、体力の衰えを理由に引退した。
通算成績は1117勝654敗16ジゴ(日本棋院調べ)、タイトル獲得・優勝回数は64回(歴代2位)。
著書は「坂田一代 勝負師の系譜」「坂田の碁」など。門下に新垣武九段、佐々木正八段らがいる。

 ◇妥協ない厳しい碁
山下敬吾本因坊の話 本因坊戦7連覇はもちろん、棋戦が少ないころから、いろいろな棋戦で優勝した実績は
すごいと思います。対局させていただいたのは1、2回くらいですが、坂田先生の棋譜を並べて勉強していた時期もあり、
いい思い出になっています。碁のタイプは違いますが、妥協のない厳しい碁は勉強になりました。
米寿のお祝いの会に呼んでいただいた時は、私が棋聖を防衛した後で、「このまま連覇を続けてくれ」と言われたのが
心に残っています。