ラング「くっくっく、ロレンス殿、返答は如何ですかな?」
ユミナ「カミュを見つけ出すか慰謝料…ですか」
ラング「ええ、元はと言えばそちら…グルニア側が混乱の大元、であればせめて…ねぇ?」ニヤニヤ
ロレンス「しかしカミュは既に私共と縁が切れておりますからなぁ、そもそも失踪届けが出されているのはそちらもご存知でしょう」
ラング「ふむそうですか、此方としては破格の条件のつもりなのですがなぁ…」
ロレンス「ふーむ……あ、所で今朝、我が社の郵便受けにこのような書類が投函されていたのですよ」
ラング「は?なんですかな突然……!!?こ、これはぁ!!?」
ユミナ「私には書いてある内容はよくわかりませんでしたが、もしかしたらその書類はここ以外にも送られるかもしれませんね」
ラング(くそ、一体何処から漏れてたというのだ!?…ん?この封筒、よく見たら会社名が…)
ラング「ひぃっ!?ろ、ロプトぉっ!!?」
ユミナ「別に貴方の事を言っている訳ではないけれど、悪事なんてしない方が身の為よ。世の中見てる人が何処かにいる物なのよ」
ロレンス「まあ何か正当な理由があるならば、検討の余地があるかもしれませんがな」
ラング「ぐ、ぐぬぬぬぬ…この機に乗じてワシの地盤を更に固める作戦が…かと思わせておいて、それだけではないわバカめ!」
ユミナ「え、違うの?」
ラング「ふん…今回の離婚劇の後我が社のトップはどうなると思う?」
ユミナ「え?そりゃあ元々のトップだったミーナさん…になるのかな?」
ラング「まあそれが妥当だろうな、そしてそうなれば我が社の衰退は目に見えておる」
ロレンス「い、幾らなんでもそれは流石にニーナ様を侮りすぎでは…?」
ラング「…今迄のあの女の所業を省みて、そんな事本当に言えるかね?」
二人「「それは(思い出し中)…………………えっと(汗)」」
ラング「…ふん、何もワシとてハーディンを追い落とそうと思っている訳ではない。我が社の立て直しの立役者で、現在も業績を伸ばし、社員からの人気も高い。どっかのヒロイン気取りの脳味噌お花畑女の何万倍もマシじゃ」
ユミナ「あ、自分がトップになろうとは考えてないんだ」
ラング「あんな能力のかわりに脳味噌を犠牲にした様な部下共を率いるなんて嫌じゃわい。そもそも我が社の3/1はオルレアン社の者じゃ、ワシに従うわけなかろう」
ラング「それに…好意につけ込まれ散々虐げられていたハーディンがやっとその呪縛から抜け出せたのじゃ、『同じ苦しみを背負う者』として応援してやっても良いかなって」アタマキラリ-ン!
ユミナ(…ハゲのシンパシーね)
ロレンス(…ハゲのシンパシーか)
ユミナ「だ、だからってなんで今更カミュなのよ…」
ラング「…今回の離婚劇の言い出しっぺはハーディンだ。ハーディンの要求が正当になるには、それ相応の理由が必要となる」
ロレンス「…成る程、それでカミュを餌にしてニーナ様の醜態を内外に見せつけ、ニーナ様が会社を背負うに不相応な人間である事と、ハーディン殿の請求が仕方ないものである事を見せつけようと」
ラング「オルレアン系は勿論アカネイア系の社員でさえハーディン派が殆どだ。ニーナ派も、『ずっと前にニーナに忠誠を誓ったから』義理だてしているのが殆ど、一押ししてやれば容易に崩れるわ」
ロレンス「…成る程、貴方の思惑はわかった」
ユミナ「でも貴方が裏で如何わしい事をしているのは変わらないし、何より私達にとって大恩人であるカミュの平穏な今をぶち壊して見せ物にしようなんて企ては乗れるはずがないわ」
ラング「んぐぐぐぐぐおのれぇ…ならば別のアプローチを考えるまでよ!不意打ち達人ラングを舐めるなよ!」ズカズカズカ…トビラバタ-ン!
ユミナ「…ふう、なんとか追い返せたわ、サラに感謝ね。でもアイツを野放しにしておいて大丈夫かしら?」
ロレンス「まああの証拠を握られて尚バカな真似をするような奴ではないでしょうし、不意打ち達人を名乗っているなら本当にハーディン殿の味方でしょうから大丈夫でしょう」
ユミナ「は?味方?……あああのガチホモハックロムね、懐かしいわね。まあともあれ、荒れなきゃいいんだけど…」