昔、リベラリタスのあたりに一組の夫婦と小僧がいました。二人は戦火を逃れイヤサキ村に流れつきましたが、やがて死んでしまいます。のこされた小僧はコルレルが親代わりとなり育てることになりました。

 小僧は十四、五歳になりました。かわいさは光るようです。その上サルベージも上手でした。コルレルはサルベージャーにしようと思っていました。

 ある夕方、小僧は神獣のじっちゃんをお供に連れて、楽園へ出かけ、花とたわむれて遊んでいました。

 ところが、実はこのあたりはアルスト有数の発展スポットでした。その中の一人の天の聖杯が小僧を見つけ、
「何てかわいい小僧だろう。よそからでもかまわないから、時々お姿を拝見したいものだ……」
とたちまち恋に落ちてしまいました。

***

 小僧が帰ってしまったので、天の聖杯も仕方なくモノケロスへ帰ってきました。
「どうしてぼくはブレイドなんかに生まれてしまったんだろう。ポニーテールの似合う女の人に化けて小僧の恋人になろうか……。いやいやブレイドと結ばれては、小僧の命が危ない。そんなことはできない。」
 いろいろ思い悩んで、食べ物も喉を通りません。もしかしてもう一度小僧に会えるかと思い、楽園へさまよい出ると、人に見つけられ、石を投げつけられてしまいました。
 どうにかして小僧の姿だけでも見ていたい。天の聖杯はある方法を思いつきました。




続かない